Nゲージ新幹線
  005 開封から運転開始まで
●まずは場所の選定、そして掃除
 何を買うかはともかくとして、車両・線路・パワーパックを入手したなら早速走らせましょう。
 まずは線路を組み立てますが、組み立てる場所についてひとこと。
 鉄道模型の中でも新幹線電車は線路と床の間隔が狭く、わずかな段差でも床をこすってしまいます。いわゆるシャコタンというやつですね。

▲在来線の電車であれば床下機器こそ付いているものの、レールすれすれの機器というのはあまりありません。

▲最近の新幹線電車は騒音防止のために床下機器をカバーで覆っています。そのためクリアランスも当然ギリギリとなりますので、線路のゆがみで床をこすってしまいます。

 そこで、線路はできるだけ凸凹のないところに敷設します。フローリングの部屋があればベストですが、畳の部屋でもヘリに気をつければまあ、なんとかなります。
 絨毯の上はあまりおすすめできません。列車の重みで線路がしなって、線路と床をこすってしまう危険があります。特に100系・200系の先頭車はスカートの低さがギリギリのところにあるので危険です。
 もし線路がまるごとのっかるテーブルがあるのなら、テーブルの上に線路を敷くのもよい選択です。椅子に座ってゆったり楽しむのが結果としていちばん疲れませんので。
 ただ、新幹線の場合にょきにょき編成が長くなっていきますので、いずれテーブルから降りる日が来るかと思います。16両つなぎの〈のぞみ〉(全長約2.5mです)がのびのびと走れるテーブルが置ける家庭なんてそうそうあるものではありません。
 走らせる場所が決まったら次は掃除です。はい。掃除です。もう一度言います。掃除です。
 Nゲージ鉄道模型は線路に電気を流し、車輪から電気を取ってモータを回しています。レールにホコリが付くと電気のとおりが悪くなりますし、ギアにホコリが噛むと走行状態がてきめんに悪化します。ですから線路を敷く前に必ずホコリがないか掃除をしてチェックするのです。
 何を神経質なと思うかもしれませんが、鉄道模型はラフな使用にはまったく向いていません。ですから車両や線路の管理をしっかりできる年齢、すなわち15歳以上のユーザーを想定しているのです。デリケートすぎて損はありません。

●線路の敷設
 ホコリのチェックが終わったらいよいよ線路の敷設です。線路をつなぐ際は、必ず平らな床やテーブルの上で、線路同士がカチッと密着するようにつなげます。このとき、トミックスの線路であればあまり問題は起きませんがカトーの線路の場合、平らな場所でつながないと片方のレールがずれた状態になる場合があります。

▲線路をつなぐときは平らな床なりテーブルの上で、高さをそろえてカチッと密着するまで押し込みます。このとき力をかける必要はありません。

▲平らなところでつながないと、このようにレールに段差ができた状態となります。

 これはけっこう見落としがちなので徹底的にチェックしてください。前面にスカートの付いていない在来線の車両であればこのくらいの勾配は乗り越えてしまいますが(決して褒められたことではありませんし、脱線のリスクは残ります)、新幹線電車は前にも述べたように極端なシャコタンになっていますので、先頭車がつまづく→動力車がそれでも押し続け→中央から編成がくの字に折れ曲がって脱線、ということも十分ありえます。

▲スカートのない在来線電車の場合、何事もなく乗り越えていく場合もあります。ただ、車輪を確実に傷めるので発見したら即修正が基本です。

▲シャコタンの新幹線電車では、まず先端のスカートが引っかかり動けなくなります。最悪の場合後ろの動力車が押す力で車両が浮き上がり、脱線します。


 線路を敷き終わったら、こういった接続不良がないかをしっかりと確認しましょう。問題なければいよいよ車両を線路に載せます。

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