■006 車両を扱う際の注意 ●Nゲージ新幹線は繊細 線路の準備ができたら車両を線路に載せます。車両のコンディションを良好に保つために、車両を箱から取り出す際にも注意が必要です。 スターターセットや車両セットを購入した場合はスチロール樹脂のケースに入っていると思いますが、取り出す際には指を引っかける穴に指を入れ、車両の床と屋根をつまみながらゆっくりと引き出します。 ▲車両セットから車両を取り出すときは、このように指を入れる穴から車両の屋根と床をつまんで取り出します。台車やパンタグラフなど、触ると故障の原因となる場所を触らないように取り出すのがポイントです。 ▲鉄道模型は車輪から電気を取って走ります。ここに手の脂が付くと電気のとおりが悪くなり、ギクシャクした走りになってしまいます。ふだん車輪は絶対にさわらないようにしましょう。 ▲パンタグラフの付いている車両はこのときパンタを上げておきます。指で軽くつまんで上げますが、たいへん壊れやすい部品なので、取り扱いには十分な注意が必要です。 ブックケースタイプの車両セットの場合、スペースの関係から指をつまむ穴がない場合があります。その場合は前後の連結面に指を入れて車両を起こし、落とさないように持ち上げます。とにかく基本は「車輪に触らない」ことと「パンタグラフのような脆い部分を持たない」ことです。これでも新幹線は蒸気機関車や交直流電気機関車に比べたら取り扱いが楽なほうです……。けっこう壊すんですよ。 ▲このように左右の出っ張りに指を入れて引き起こし、車体をつまんで取り出します。このときアンテナやパンタグラフを引っかけないよう十分注意してください。 ●リレーラーを使って載せよう 車両を線路に載せるとき、鉄道模型は他の鉄道玩具のように上からポンと載せることはできません。特に新しい新幹線は台車が半分くらい車体カバーで隠れているので、台車を持ちながら線路に載せることはできません。 そこで、リレーラーという道具を使って線路に載せます。 ▲リレーラー。メーカーによって形は異なりますが機能は同じ。カトーの線路でトミックスのリレーラーを使ってもいいし、逆もまたOKです。スターターセットには必ず1個ついています。
▲このようにリレーラーを線路にセットし、車両を線路に滑らせるように載せていきます。
このようにリレーラーはたいへん便利なものですが、新幹線電車の場合注意が必要です。 新幹線電車は前にも書きましたがシャコタンです。そのためリレーラー大きさいかんではの勾配を下る際に先頭のスカートが引っかかることがあります。上の画像ではカトーの路面電車用リレーラー(E6系〈スーパーこまち〉の車両セットに付属していました)を使っていますが、これは他のリレーラーに比べて勾配がゆるく、スカートの引っ掛かりが少ないためです。 次にリレーラーで車両を線路に載せたら、順番に車両をつないでいきます。 Nゲージの新幹線電車は連結器がメーカーごと、車両ごとにバラバラで、連結方法も異なります。連結・解放方法は車両セットに付属するマニュアルを参照して、慎重に行なってください。カトーのN700Aを連結できたからN700系も楽勝だぜ! と思ったら痛い目を見ます。 ▲連結は両手で慎重に。
●ゆっくり走って安全運転
車両の連結が終わったら、パワーパックのつまみをゆっくりと動かしましょう。それにあわせて新幹線電車もゆっくりと動き出します。 新幹線電車は高速で走るのが醍醐味ですが、だからといってパワーパックのつまみをマックスまで回すのは感心できません。列車のつくりにもよりますが、だいたいつまみの半分くらいまで回せば、実物で言う200km/hくらいです。N700Aの場合最高速度は300km/hですが、それでもつまみを2/3も回せば十分といえます。 そもそも鉄道模型のカーブは実物よりもはるかに急にできています。N700Aが300km/hで走る半径4,000mのカーブは、Nゲージのスケールに直すと半径26,667mmです。カトーのスターターセットに入っている曲線線路の半径は315mmですから、比較にならない急カーブといえます。 むやみやたらな高速運転や急発進・急停止は車両の寿命を縮めます。本物の新幹線電車も過酷な高速運転を行なうため在来線の電車に比べて半分程度の寿命で廃車になってしまいますが、こんなところまで本物そっくりになる必要はありません。 模型の新幹線くらい、大切に扱って長生きさせてあげましょう。 ▲カトーのパワーパックで言えば、つまみをこのくらい回せば十分「高速運転」です。 ▲カトーのE6系を1年ちょっと使ってはずした床板。黒い粉はモータに電気を流すブラシの削れた粉、黄色いのはオイルです。車両はこうやって少しずつ劣化していきます。高速で走る新幹線はモータの負担もたいへん大きいので、大事に使いましょう。
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