Nゲージ新幹線
 
008 レンタルレイアウトを使おう
●家で新幹線はもてあます

▲我が家で新幹線を楽しむときのスペースはこんなもんです。これでは新幹線のフル編成など夢また夢、ドリームキャストです。
 ここまで書いておいてなんですが、新幹線電車というのは遊ぶ上で何かを我慢しなければならないケースが多い車種です。
 たとえば実車と同じ16両編成で遊びたい場合、いわゆる自宅にレイアウトを作れる人はあまりいないでしょう。つまりレイアウトは事実上諦めるしかありません。
 自宅で十分なスペースが取れない場合は編成を短縮しなくてはなりません。畳1枚分のスペースしか捻出できない場合、実用的な編成はいいところ8両編成まででしょう。ホームを用意して入れ違い運転などを考えるならさらに短くなり、4両くらいで妥協しなくてはなりません。
 どうしても新幹線のフル編成で風景の中を走らせたいならば、レンタルレイアウトをおすすめします。レンタルレイアウトは時間貸しで車両を走らせる線路を借りる施設で、レイアウトの大きさはお店によって大小がありますが、多くのお店で新幹線16両編成、もしくはミニ新幹線との連結による17両編成に対応しています。

▲新幹線電車のフル編成が停まれるホームや留置線があり、しかも風景の中を走れる点がレンタルレイアウトの特徴です。画像は府中にあるレンタルレイアウト、金太鉄道。

 
レンタルレイアウトは個人が経営しているところ、模型店が模型売り場の中に併設しているところなどがあります。敷居が低いのは模型店のレイアウトでしょうか。デパートやショッピングモールのテナントに入っている『ポポンデッタ』という模型店は、各店舗にレンタルレイアウトを用意しています。線路は単純な小判型ですが、2列車を交互に運転できる配線なので退屈しません。

▲ポポンデッタのレンタルレイアウトは2段構造になっているところが多いですね。上の画像は川越のポポンデッタですが、1階高架線の一部が新幹線16両編成に対応しています。

●みんなで走るからマナーが必要

▲あなたの37mm隣を別の人が走っているのです。スピードの出しすぎで他の人を巻き込まないようにしましょう。

 
レンタルレイアウトは基本的に、見知らぬ他人と設備を共用して遊びます。ですから自分勝手な行動は厳に慎まなくてはいけません。たとえばスピードの出しすぎはカーブで脱線の原因になります。自宅で遊んでいる場合はせいぜい自分の車両が破損するくらいですが、レンタルレイアウトの場合、他人の車両を巻き込んでしまうこともあります。
 ですから、新幹線といえど速度は出しすぎない(つまみの2/3も回せば実物換算で250km/h程度になります)、車両を載せたり撤去したりするときは隣のレーンに列車が接近していないか注意しましょう。他人の車両に触ったり手を出すなんてのはもってのほかです。
 また、車両のコンディションを常に良好に保っておくことも大事です。出かける前に自宅で動力車を試運転し、コンディションに問題ないかを確認しましょう。
 マナーを守って楽しく遊べば、レンタルレイアウト鉄道模型の楽しさをさらに広げてくれますよ。

▲レンタルレイアウトでは自分勝手に遊ぶことはできませんが、守るべきことは難しいことではありません。みんなが気持ちよく遊べるよう心がけるだけで、長い新幹線電車が一直線にホームに並ぶという自宅ではなかなか楽しめない風景を堪能できるのです。

▲レンタルレイアウトで撮影した、16両つなぎが一直線に並んだ画像(クリックすると拡大します)。これはなかなか自宅では味わえません。
■710 コラム:レンタルレイアウトでの脱線
 レンタルレイアウトの線路は、自宅の線路とは比較にならないくらい酷使されています。特にポイントは半年〜1年くらいでだめになるほど激しい使い方をされるケースがあります。
 そのため車体が長く連結器が特殊なつくりの新幹線の場合、車両によってはポイントやカーブからの出口で脱線してしまうことがあります。車両のコンディションがたとえ完璧でも、線路の状態いかんでは脱線してしまうというわけです。統計を取ったわけでもメーカーからの公式見解でもないので話半分に聞いていただければと思いますが、カトーのE5系/H5系、E6系のような車体傾斜機構を組み込んだ車両とトミックスの線路の組み合わせだと、相性が悪く脱線するケースが見受けられます。

▲レンタルレイアウトで脱線したカトーH5系。このときは何度走っても同じ箇所で脱線したので『相性が悪かった』とあきらめるほかありませんでした。

 レンタルレイアウトで特定の車両が同じ場所で脱線を繰り返す場合は、完全に線路と車両の相性が悪かったとあきらめるほかありません。そのためレンタルレイアウトには念のため複数の車両を持っていくことをお勧めします。
 なお、線路と車両の相性はきわめてクリティカルなもので、たとえばH5系が脱線したポイントでも、E6系は問題なく通過するというケースもあります。
 こればっかりはレイアウトの管理者に申告しても改善は難しい(別のレーンへの移動を促してくれれば上等な対応です)ので、このレイアウトのこの路線は、この車両との組み合わせはNG、みたいなリストを作っておくしかありません。
 レンタルレイアウトの利用にはこのようなリスクがあることも頭の片隅に入れておきましょう。



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