■009 編成をアレンジする
←前のページ|index|次のページ→●フル編成にこだわると楽しめない いちばん長い新幹線電車は東海道新幹線の16両つなぎ、もしくは東北・山形・秋田新幹線の17両つなぎとなります。実車では全長400m、Nゲージでも2.5mという長さの列車を家庭で遊ぶのは容易ではありません。 フル編成がかっこいいのは確かなのですが、自宅で2.5mもの長さの車両を遊ぶととても窮屈です。最低限16両編成が一直線に並ぶスペースが確保できないのであれば、自宅でのフル編成はオススメできません。つまり自宅では編成を短縮して遊ばざるを得ませんが、その際どこにこだわるかで、どんな編成を組むかが決まってきます。 ここではカトーのN700Aを参考に編成の組み方を考えてみます。 ▲カトーのN700Aの編成は基本4両・増結4両・増結8両の車両セットで構成。これを美意識とセンスを用いていかにうまくアレンジしていくのも、Nゲージ鉄道模型の楽しみかたのひとつです。 ▲短縮編成の例。このほかにもいろいろなパターンが考えられます。 カトーのN700A車両セットは4両基本セット・4両増結セット・8両増結セットの3製品が発売されています。まずは基本4両セットで楽しむことになると思いますが、たとえばさらにコンパクトに遊びたいので3両にしたい場合どうなるかというと、パターン1のような編成になります。 一見問題ないように見えますが、この組みかたですと困ったことにパンタグラフの付いた車両が組み込まれません。したがってN700Aの最短編成はパターン2にある基本セットの4両つなぎということになります。 ▲3両つなぎはテーブルトップでも手軽に楽しめる最短編成ですが、パンタグラフがないとどうにもしまりません。 まあ、基本セットの4両は手軽でいいのですが、N700Aの特徴である側面ロゴが1号車だけになってしまうのが悲しいところです。せめて基本セットに785-1603ではなく785-1503を入れてくれればよかったのにと思わざるを得ませんが、カトーとしても増結セットを買ってほしいとかそういった思惑もあるのでしょう。 そこで、きれいな編成を組みたい場合は増結4両セットを購入しましょう。そうするとパターン3のように交互にロゴが入る8両つなぎになります。短縮編成でかつ編成美のある、優秀な編成といえましょう。 8両ではちょっと長いな……という場合は786-1203と787-1503を落とした6連あたりになるかと思います。これでも編成美は崩れませんが、電気的にN700Aは4両を1単位としており、6両というのは実車では組めないことになっています。 そこにこだわってしまうとちょっと6両は……ってことになりますが、それをいったらパターン2の4両だっておかしな組みかたです。鉄道模型なのですからそのへんは割り切ってもかまいません。 なお、パターン3の8両つなぎは実車の構造的にも問題ないつなぎ方です。グリーン車(777形)が左により過ぎているのが少々気になりますが……。 ▲短縮6両つなぎのN700A。普段は103cm×73cmのテーブルトップで遊んでいますが、テーブル上だとこのくらいの長さがバランスだと思います。 ●併結編成の難しさ 単独編成ならこのように最短3〜4両から8両程度までそれなりにまとめることができますが、E5系・E6系の併結となると最短はE5系3両+E6系3両の6両となります。ただ正直編成のバランスから言ってE5系がすこし長い編成にしたい。そうなるとE5系4両+E6系3両の7両くらいが見栄えのする最短編成となります。 併結編成はこのように短くするにも限度があるので、家では単独編成で遊び、併結編成はレンタルレイアウトで遊ぶというすみわけがよいかと思います。いずれにせよ無理は禁物です。 ▲H5系とE6系の連結は、お互いを最短の3両ずつにして6両つなぎにするのが最短編成でしょうか。ただこれだと、N700Aのときとは逆にH5系側が3両ともロゴ入りという、別の意味でなんだかなー、といった編成になってしまいます。なのでH5系側にもう1両入れて4両+3両の7両つなぎにするといいかもしれません。 ●増結は同じメーカーで 新幹線電車は人気があるので、複数のメーカーから同じ形式の車両セットを販売しています。増結の際に注意したいのは、増結セットは必ず最初に購入した基本セットと同じメーカーの製品を購入する点です。 車両セットの構成はメーカーごとに異なりますので、異なるメーカーの製品を購入すると実車と同じ編成が組めない場合もありますし、最近ではメーカーごとに連結器の形状が異なるため、そもそも連結ができないというケースも考えられます。 中古のばら売りで安いからと言って、メーカーを見ないで購入すると、連結器が異なって連結できなかったという、安物買いの銭失いを地で行くようなことをやらかしますので、必ず同じメーカーの製品で揃えてください。 ▲マイクロエース(左)の200系新幹線とカトー(右)の200系新幹線の例。このように連結器が異なるのでつなげません。
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