■011 すれ違いを楽しみたい
←前のページ|index|次のページ→▲実車同様、模型でも複線運転を楽しみたくなるのは当然のこと。しかしNゲージ 新幹線の場合は、いくつか覚えておいたほうがいいルールがあります。 ●実車だって複線だ! 実物の新幹線は在来線に乗り入れる山形・秋田新幹線を除いてすべて複線になっています。鉄道模型の世界でもやはり新幹線は複線ですれ違いを楽しみたいと思う人も多いかと思いますし、友達と鉄道模型で遊ぶことを考えたら、複線の設備はあって損はないでしょう。 そこでメーカーから発売されている追加の線路を買って複線にするのですが、そこには新幹線ならではの制限事項があるので注意が必要です。 ●接触に注意 スターターセットから鉄道模型を始めた場合、カトーの線路ならR315-45、トミックスの 線路ならC280-45という曲線線路を使っていると思います。RなりCなりの後ろについている数字はカーブの半径を表し、ハイフンの後ろについている数 字はそのカーブの角度を表しています。たとえばR315-45であれば半径315mmの45度(ピザ一切れ分ですね)のカーブという意味になります。 鉄道模型ではこのカーブの半径は一定の間隔でさまざまな種類が発売されており、複線や複々線を容易に作ることができます。カトーであればR315-45より一段きついカーブはR282-45、一段ゆるいカーブはR348-45と33mm間隔に、トミックスであればC280-45を基準に一段きついカーブはC243-45、ゆるいカーブはC317-45と37mm間隔になっています。 ここで注意したいのは、新幹線電車は在来線電車よりも一回り大きいということです。つまり、きついカーブの場合複線区間ですれ違うと車両が接触する危険があります。 それを回避するためにカトーは新幹線電車の最小通過半径をR315、トミックスはC280としています。カトーとトミックスで通過半径に差があるのは、上述した複線間隔です。カトーはトミックスより複線間隔が4mm狭いため、その分カーブの半径をゆるくしなくてはならないのです。 つまり、スターターセットを基準に複線を作る場合は、今もっている曲線線路の外側に線路を追加します。カトーならR348-45、トミックスならC317-45を購入します。 もともと新幹線というのは、カーブをできるだけゆるくして高速運転をする鉄道です。ですから新幹線をリアルに楽しむなら、スペースの許す限りゆるい半径のカーブで走らせたほうがかっこよく見えます。 ▲カトーの曲線線路の例。手前からR348・R315・R282の曲線線路です。この例では接触はしていませんが、R282のE4系はR315の100系に接触寸前となっています。 ●パワーパックはふたつ必要 鉄道模型の世界では原則として、ひとつのパワーパックで運転できる列車は1編成です。複線で2列車がそれぞれ自由に走る場合はふたつのパワーパックが必要です。 また、ふたつのパワーパックの電気は絶対に混ざってはいけません。したがって内側線と外側線は電気的に分離しておく必要があります。鉄道模型の知識が増えれば内側線と外側線を行ったり来たりする運転もできるようになりますが、ふたりで運転する場合や知識に自信がないうちは、内側線と外側線の間にポイントなどを入れないほうがいいでしょう。
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