Nゲージ新幹線
 
■012 建物を置いてみよう

●電車が見えないほうがリアルだ!

 鉄道模型の世界では、建物や人形、自動車といった情景部品をストラクチャといいます。車両だけでなくこういったストラクチャを並べることで、「電車」から「鉄道」に変化します。
 鉄道は人やものをA地点からB地点に運ぶのが役割です。ですから駅のまわりには建物があって、そこに人や自動車を置いたりして「人間の営み」を演出すると、よりリアルになるというわけです。
 実際、テーブルの上で楕円状の線路(エンドレス)を敷いて走らせていると、物足りなさを感じるかもしれません。何もないテーブル上の平原を走る新幹線では、どこからでも列車が見えてしまいます。そこでエンドレスに建物を置いて線路の一部を見えなくしてみましょう。

Nゲージ用の建物は模型店で販売しています。完成品やキット形式など形態はさまざまですが、おおむね一軒1,000円からあります。建物が大きくなるにつれて値段が上がるのは実物と同じです。

 建物は模型店でわらぶき農家から近代的なマンションまで、時代や町の規模に応じてさまざまな種類のものが販売されています。とりあえずは気に入った建物をいくつか購入し、足りない分はおもちゃの空き箱や車両ケースなどを使ってエンドレスの半分くらいを見えなくしてみましょう。

▲何もないところを走る新幹線〈こまち〉。線路全体が見えてしまうといまひとつ雰囲気が出ません。

▲こうして建物で隠してしまうと、列車が見え隠れするようになり、単調さが緩和されます。
 新幹線がいくら好きでもずっと眺め続けているとどうしても単調になります。見えないときがあるから見えたときにありがたみが増すというもの。ですからあえて見えない時間を作ることで、単調さから解放される効果があります。
 また、建物を置くことで『新幹線電車』から『新幹線』になり、鉄道としてのリアリティが増します。やはり鉄道は生活空間を結んでナンボです。建物だけでなく、人形や自動車などを線路の周りに配置して、『鉄道のある風景』を楽しんでみましょう。
 ジオラマを造らなくても、ある程度は楽しめますよ。

▲人形は特にライブ感の演出に欠かせないものです。なくしやすい上にまとまった数を買うとそれなりの値段になりますが、お値段以上の価値はまちがいなくあります。

■709 コラム:地面は平らじゃない
 テーブルの上にストラクチャを並べると、線路も建物も同じ平面上に並んでしまいます。実際の地形というのはもっと凸凹していますし、新幹線はそもそも立体交差が原則なのですこし工夫がほしいところです。
 そこで地面をすこし持ち上げて、立体感をつけることをおすすめします。
 たとえば本を並べて、その上に建物を置くだけでも高低差はつくれます。建物の間を走る新幹線(これを専門用語で『切通し』といいます)はなかなかよい雰囲気です。
 本の背表紙(これを専門用語で『束』といいます)が見えるのがかっこ悪いのであれば、市販の石垣キットを購入し、斜面(これを専門用語で『擁壁』といいます)を造ってもいいでしょう。
 身近にあるものでいろいろ工夫をするのも、鉄道模型の楽しみのひとつです。

●擁壁を作ってみよう!

(1)今回はグリーンマックスから発売されている「石垣」を使用。(2)背面で石垣を支える柱をプラ板から切り出しています。三角形の支えは擁壁が60度の角度になるよう調整しています。(3)このように支えを背面につけて、プラ棒で固定します。(4)こんな感じになれば、あとは色を塗って完成です。


▲擁壁の裏側は、鉄道模型のケースでかさ上げし、その上に建物を置いています。このように建物と線路に高低差をつけると、雰囲気がグッとよくなります。



■712 コラム:新幹線のための情景パーツ
 東海道新幹線の車窓から見える野立て看板がポポンデッタから発売されました。静岡ホビーショーでは『727化粧品』と『西川ローズテクニー』の看板が試作品として発売されていましたが、今回発売されたのは『727化粧品』。価格は2枚入りで1,000円+税です
 組み立てはとても簡単で、看板を題材に差し込むだけ。家で遊ぶときにエンドレスの中心部にでもポンと置いておくとあら不思議。あっという間に新幹線の車窓に早変わりです。

▲727化粧品の野立て看板。2枚入りで1,000円です。スケールはNゲージサイズよりかなり大きいので、トレーンやプラレールにも使えます。

▲こんな感じで線路わきに置いて使います。新幹線の車窓に野立て看板はなくてはならないものでしょう。簡単に新幹線の雰囲気を出せるパーツとしておすすめです。

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