Nゲージ新幹線
  ■906 用語解説:セット
 新幹線電車をはじめとする最近の電車は、車両のつなぎ順が決まっていて、編成をつなぎ変えたりすることはほとんどありません。たとえばN700A〈のぞみ〉ならグリーン車は必ず8・9・10号車ですし、パンタグラフの位置も変わりません。
 であれば、模型も1両1両バラで売るよりセットでまとめて売ったほうが判りやすいという話になります。『786形1500番台と785形1500番台、 786形の1200番台と787形の1500番台をください』なんてオーダーを受けても、よほど鉄道に詳しい店主さんでもまごつきますよね。
 とはいえ16両編成を1セットにすると金額もかなりのものになりますし、家で遊ぶ分には16両もいらないよ、という人もいるでしょう。
 メーカーの意図はわかりませんが、現実にはスタート用に3両、そのあと増結用に4〜8両ずつまとまったセットを販売しています。これなら『4両増結セットください』といえば店主さんもまごつきませんし、予算に合わせた編成の延長もできるというわけです。
 そんなわけで現在、鉄道模型の車両に関しては新幹線に限らずセット売りが主流で、1両ずつ販売する製品は機関車や一部のディーゼルカー、貨車くらいなものです。お小遣いを貯めて1両ずつ買い足すのもまた、鉄道模型の楽しみではあったのですけどね。お金がないので1両だけ新幹線の先頭車を買って、手持ちのディーゼルカーを連結したりして遊んだもんです昔は。
 老人の昔話は長くなるのでこのくらいにして、まあとにかくこのようにさまざまな『大人の事情』から、新幹線電車はセットで買うのが基本となって現在に至ります。

▲カトーN700Aのセット例。奥から4両基本セット(13,000円+税)・4両増結セット(8,500円+税)・8両増結セット(14,000円+税)。16両そろえると35,500円+税となります。

▲現行製品で1両で販売している新幹線電車の例として、鉄道博物館展示車両200系新幹線222-35(2,100円+税)や京都鉄道博物館の500系521形1号車(税込4,000円)があります。

 ところで、鉄道模型の世界では本物と同じ編成にしないときがすまない「フル編成病」という病気があります。そういう人にとってばら売りは害悪でしかないらしく、最初からまとめて売ってくれという需要も結構あります。
 そんな病人のためにメーカーも最初から全部入りのセットを売る場合もあります。お値段も相応になりますが、重い病にはお金がかかるものです。もちろん保険なんてありませんのでこの病気の治療は全額自己負担ですよ?

▲大人が罹患するフル編成病向けに販売された、カトーのE4系新幹線8両セット。お値段は21,000円+税。フル編成病患者は2セット購入して16両つなぎにします。


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