■ライフバスについて
　八瀬町中心部へは、これまで愛野電鉄七瀬駅から八瀬まで花月急行バス1日5往復運行してきましたが、採算ベースに乗らないことから平成18年3月31日をもって八瀬地区から撤退するとの申し入れが、平成17年初頭に花月急行よりありました。
　このバスが廃止になりますと、八瀬町には公共交通機関がなくなってしまい、交通弱者への利便性が大幅に低下します。そこで町民の足を確保するため平成18年4月1日より、花月急行バスの路線を引き継ぎ、あらたに町営のバス路線を営業することになりました。これが八瀬ライフバスです。ライフバスは小型のバスを使うことによって、これまでの花月急行バスが運行していた七瀬駅から八瀬までの路線に加え、道が狭くバスが入れなかった車返地区までの延長運転を行うほか、簗、谷、藍、峰、藤の各小集落をデマンド運行で結びます。
　ライフバスは路線バスの形態を取っていますが、法的には八瀬町が自家用のバス2台を購入し、地元のタクシー業者に委託運行をする通称「80条バス」の形をとっています。2台のバスは町民の資産です。ですからみなさんもバスの運営に積極的に参加していただき、多くの人に使いやすいバスに育てていきたいと考えています。

▲エアロミディMEは、車体幅がこれまでのバスよりもコンパクトにできていますので、道幅が4.5メートルと狭くこれまでのバスでも入れなかった八瀬北地区へも路線の設定を可能としました。写真は細道（さざれどう）バス停付近です。

■ライフバスの意義と役割
　八瀬町はこのたび、小型バス『エアロミディME』を2台、町の予算（2220万円）で購入しました。このバスをタクシー会社の八瀬自動車に貸与し、運営を委託します。
　ライフバスの運行によって、これまで町が運営していた福祉交通事業をライフバス一本に簡素化し、コストの圧縮を図ってまいります。まず、これまで車返と七瀬小学校に運行していたスクールバスをライフバスに統合し、通学生はバスの定期券を所持してライフバスでの通学をする形となります。
（ただしご家族の負担を極力避けるため、中学生までの通学定期料金は八瀬町が補助いたしますので、交通費の個人負担はございません）。
　また、スクールバスをの間合い運用でまかなっていた通院バスも、ライフバスに統合します。こちらも65歳以上の八瀬町在住者には福祉パスを発行し、これまでどおり無料でバスをご利用いただけます。
　結果として八瀬町は、バスの運行経費と通学定期代および、福祉パスの代金を税金より投入しますが、運行を八瀬自動車に委託することで、これまで町が負担していた人件費、管理費を削減できるほか、福祉タクシー4台、スクールバス2台を路線バス2台に統合することで、維持コストの削減を行います。これにより町の負担は花月急行時代のレベルを維持しつつ、路線バスの設定が可能となりました。
　ライフバスの意義は町民の足の確保です。しかし町の財政は厳しく、補助金の捻出も厳しい状況にあります。そのため支出はできるだけ抑え、そのなかで利便性を可能な限り維持するサービス体制を構築しなくてはなりません。
　コスト圧縮による極端なサービスダウンも、お手盛りの補助金による赤字垂れ流し運営も、いずれをとっても破綻は目に見えています。ライフバスは町民生活におけるライフラインであり、サービスに見合ったコストを町民それぞれが負担していただくことで、健全な運行を行っていきます。

■運行経費のうちわけ
・予測運賃収入（年）
　1日あたり利用客数予測：65人×365＝23725人／年
　運賃収入：平均単価212円）×23725人＝502万9700円(A)

・予測支出（年）
　人件費：1280万円
　車両使用料：399万6000円※
　雑費：500万円
　合計：2119万6000円(B)
※減価償却費5年／定額法で計算。また車両購入価格は低公害車導入による補助を受けた額（1110万円×2）で計算。

・(A)-(B)
▲1616万6300円

　八瀬町としては、運行経費として1200万円／年の予算を組んでおり、現状では予算より約400万円超過が見込まれる。これを解消するために、検査等がない日は2台のバスをフル活用し、遠足や小旅行などの企画を積極的に行い、収入を増やさなくてはなりません。
 

※80条バスとは 道路運送法第80条（有償運送の禁止及び賃貸の制限）  自家用自動車は、有償で運送の用に供してはならない。ただし、災害のため緊急を要するとき、又は公共の福祉を確保するためやむを得ない場合であつて国土交通大臣の許可を受けたときは、この限りでない。  　八瀬ライフバスは、公共交通空白地帯の福祉サービスとして、自家用バスを有償で運行することを国土交通省より許可を受けています。