■ゲーム進行に問題あり
麻雀 同級生にはストーリーがあり、プレイヤーは写真部の部長となって、学園祭で発表するための写真を撮る。んでその被写体が女の子のハダカということになっている。
ストーリーがあること自体悪いことではない。ただ「脱衣麻雀」という枠の中でストーリーを展開するときに、肝心の麻雀部分の流れを阻害するのはどうかと思う。
麻雀学園祭では、主人公はめぼしい女の子に声をかけて「あんたかわいいから服を脱げ(やや誇張あり)」と声をかける。途中、その女の子に想いを寄せる友人(オトコ)から思いとどまるように説得される。そのこと自体はゲームを盛り上げ、ストーリーに没入するという意味でもよいと思うが、そのたびに脱衣シーンを拝めない(斉藤というオトコに限って、盗み撮りした写真を見せるというフィーチャーで、ハダカを見られるが)麻雀を遊ばせられるのは苦痛だ。しかもそれが1回や2回ではないのが辛い。
まあそれでも、ゲームの進行にかかわりがあるのならまあ許せもする。とにかく遊んでいて苦痛なのは、ストーリーの進行と関係なく出てくる男たちだ。特に斉藤というオトコのフィーチャーは、2つを除いて全部落としていいと言えるくらい無駄無駄ムダァ!!
また、麻雀に入る前にいちいちマップ画面になって移動を要求するのも無駄だ。おかげで市中引き回された上、オトコどもに会いまくって無駄な麻雀をしまくるという地獄絵図が展開する。結局のところシナリオは一本道なのだから、マップ画面をやめて、それこそ同社の「麻雀 同級生」みたいにシーケンシャルなゲーム進行にすべきだったのではないだろうか。
■ゲームシステムも問題だらけ
ゲームの要、ゲームシステムも問題だらけだ。麻雀 学園祭は、麻雀で点数のやり取りをするのではなく、どんな役でも上がればライフをひとつ削り、女の子の持っているライフをすべて削れば裸が見られるというものだ。役満だろうが平和のみだろうが、とにかく上がればライフをひとつ削れる。プレイヤーもライフ制になっており、役満を食らおうがツモのみだろうが奪われるライフはひとつだ。
この方式の利点は、設定でプレイヤーのライフを多く設定すれば「なんだよいきなり役満かよ信じらんねぇ貴様ぶち殺す」などとプレイヤーの怒りを買わずにすむことだ。しかし、麻雀学園祭においては、この方式がうまく行っていないのが問題だ。標準設定(メイクソフトの標準設定はハードランク・・・)で遊んだ場合、相手のライフは2、プレイヤーのライフは1で、1発死にのリスクを解消するはずのシステムがまったく役立っていない。せめてプレイヤー2、女の子2を標準設定にしてほしかった。仮にライフがふたつでも、トータルのプレイ時間は、無駄なフィーチャーを削ることで圧縮できるはずだ。
また、脱衣に関してもライフシステムのメリットを殺ぐようなシステムになっている。学園祭では各キャラクタに3パターンの脱衣シーンがあり、女の子のライフをすべて削ったときの「めちゃモエ℃」が多ければ多いほど、ちょっとだけ脱衣、パンツ、おっぱいの順番で脱いでいく。「めちゃモエ℃」は、上がった役に比例して上がるが、メーターの刻みがあまりにも多くて、設定によっては(プレイヤーライフ2、女の子ライフ1の場合)役満を上がらないとおっぱいを見られないことがある。
また、標準設定の場合コンティニューするとめちゃモエ℃は初期化されてしまう(スイッチで初期化しないようにもできる)ので、女の子のライフが3の場合、めちゃモエ℃は上がっても、3回立て続けに上がらないとすぐにランクが上昇し、返り討ちに遭ってしまう。とにかくおっぱいの出ている画面を撮るという義務感で頑張ってみたが、女の子ひとり当たり8〜15クレジットくらいコンティニューして、やっと3連続勝ち抜けるチャンスができるかってくらいだった。
まあおっぱいが見られた瞬間はけっこう嬉しかったけど、こうやってみるとみんな似たようなおっぱいで、あまりおもしろみがないなぁ。苦労したのに。
閑話休題。要するにゲームシステムがすべて「足かせ」の方向に行ってしまっているため、プレイしていていらいらばかりがつのってしまうのだ。せめて標準設定でめちゃモエ℃がコンティニュー時に継続される仕様であればよかったのだが・・・(ゲームセンターでは、滅多なことでスイッチを切り替えて営業することがないから「設定でいろいろできます」と言われても実効は少ない)。
■ちぐはぐなサービス
まあいろいろ文句をつけてみたが、制作者側がプレイヤーにまったく配慮していないかというとそうでもない。思考ルーチンは異様なまでに対子が重なる。とにかく七対子や三暗刻、四暗刻が炸裂しやすい。おっぱいを見るために高い役が必要なこのゲームにおいて、高い役が上がりやすい配牌、ツモは思想として正しい。しかし、すぐにランクが上がってしまう配慮のなさが、せっかくの配慮を相殺している。
さらに、イベントで友人と麻雀する部分は、女の子と対戦するときに比べ難易度が下がっている。これはあくまでもイベントであり、さっさとクリアしてほしいという配慮だと思うが、そもそもこのフィーチャー自体が邪魔なんですよ。ゲーム進行において。やっぱなんかちぐはぐ。
また、ゲームオーバー時にコンティニューすると、ルーレットにより1クレジットの追加サービスが当たることもある。しかし、コンティニューしたからと言ってランクが下がるわけではないので、あまり意味のない(もっとも、時間つぶしを目的に遊んでいる人であれば有用なフィーチャーかもしれない)フィーチャーだ。むしろコンティニューすればめちゃモエ℃を最大にするとかのほうが、サービスになったと思う。
このように、プレイヤーに対する配慮はされているものの、ほとんどゲーム展開に活かされていないというのが、麻雀 学園祭の致命的な欠点だ。
■今必要なのは、トータルコーディネイト能力
ここまで読むと、麻雀 学園祭はかなり救いようのない脱衣麻雀に見えるかもしれないが、麻雀部分の作りや女の子のグラフィックの見せ方やアニメパターン、ストーリー展開や細かい部分の配慮など、部分部分で見ればなかなかよくできている。少なくとも同社の「麻雀 同級生」よりは断然進歩している。
ところが、全体で見ると「木に竹を接いだようなゲーム」になってしまっているのだ。これではせっかくのおっぱいも浮かばれない。今メイクソフトウェアに必要なものはトータルコーディネイト能力だ。ゲームの制作段階において、ゲーム全体を見通し、統括管理できるプロデューサが必要だ。
そこさえクリアできれば、かなりしっかりとした脱衣麻雀が作れるメーカーと私は見ている。新シリーズの展開に期待したい。
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ここは■5056「麻雀 学園祭」