白状しよう。オレはトリプルウオーズの出来の悪さから、ニチブツ脱衣麻雀を正直見限っていた。そのため、トリプルウオーズの外伝的存在であるセーラーウオーズもゲームセンターではあまり遊んでいなかった。
「所詮ニチブツじゃん」。そういう考えがあったのは事実だ。しかし、脱衣麻雀研究家として、そういった印象批判はすべきではない。オノレの反省を込めて、セーラーウオーズのレビューをやらせていただく。
■(ニチブツにしては)洗練された出来
セーラーウオーズは、1989年の麻雀トリプルウオーズの外伝的存在として発表されているが、ストーリーやゲームシステムはまったくと言っていいほど別物で、人気作品の名を借りた別ゲームと考えて差し支えない。まあ、本来ガンドックスと言う名前で出るはずの雷電ファイターズや、もはや名前以外に共通点のまったくないファイナルファンタジーやドラゴンクエストのようなものですよ。
業務用ゲームの場合、実績があった続編というのはオペレータも手が出しやすいので、こういったあざとい戦略に出る理由も分かる気がするんだけど、ちょっとカッコ悪いよな。前園に怒られちゃうぞ。
しかし、いくらなんでもあの出来のトリプルウオーズがネームバリューになるって言うんだから、ニチブツの脱衣麻雀ってレベル低いよな。ていうかトリプルウオーズが人気あるなんて、オレは信じられん。
トリプルウオーズに恨みがあるもんで少々荒い文章になってしまったが、本題に戻る。セーラーウオーズは、トリプルウオーズの悪かった点はほとんど改善されて(つまりまったく別のゲームとなって)、だいぶ遊びやすいゲームになった。麻雀の思考ルーチンなどは、昨今のLD/CD麻雀に通ずる、マイルドな打ちスジでなかなかよくできている。もっとも、配牌でランクを調整する悪癖は健在で、コンピュータの残虐さは相変わらずだが。
脱衣麻雀では、イカサマが公然と行われる。そのこと自体悪いことではない。むしろイカサマなしのだれた麻雀をやるくらいなら、スリリングなイカサマ麻雀のほうがよっぽど面白い(聞いているか?マイクロネット)。しかし度が過ぎたイカサマはプレイヤーをしらけさせる(メイクソフト!オノレにいっとるんやで)。セーラーウオーズのイカサマは、その度が過ぎた領域にあるのだが、辛くもそれを回避する方法があるため、ギリギリの難易度が保たれている。
いわゆる「金さえつぎ込みゃ〜なんとかなる」システムになっているのだ。最終面の敵は持ち点5万点。しかも倍満クラスの手をホイホイあがる。一見打つ手なしだが、ちゃんと逃げ道が用意されている(最後のリトルエンジェルと対戦して、アイテムをもらえばOK)。こういった「配慮」があるだけ、セーラーウオーズは出来がよいと言える。
もっとも、ラス前の敵がちょっと卑怯なので、クリアしていない人の評価だと「なにこれ信じらんねぇこんなのクリアできるわけないじゃんていうか死ねニチブツあんたの時代は終わったよ」といった感想が産まれそうではある。
さもありなん。なんといっても4面の女の子は「プレイヤーがあがった次の局は役満クラスの積み込みを入れてしまう技を持つ」のだから。しかも相手の持ち点は35000点。役満一発ではハコにできないのだ。
ちなみにここを抜けるコツは、「1回戦はハネ満以上の役を何としてもあがる」「2回戦は牌交換で軽い手を組み込み、6巡くらいで流す」「3回戦は強引にてんぱって、リーチ一発ツモのアイテムで速攻逃げる」をうまく行なう必要がある。
■(ニチブツにしては)かわいい女の子
システム同様、女の子の絵も進化した。既存のアニメのパクリである点はニチブツの伝統だからいいとして、セーラーウオーズではちゃんとプロの作家に絵を描かせ(「きせかえま〜じゃん」と同じ人)、基板も256色出せるものに強化してあり、たいへん脱がせ甲斐のある絵となっている。相変わらずおっぱいはシリーズごとの統一が図られており、セーラーウオーズは全員まんまるおっぱいとなっている。
まあ、おっぱいはいいとしても、せっかくの256色基板。もうちょっとパンツの色とかガラとかにバリエーションをつけてくれてもよかったのではないかと思う(まあ、水着だかパンツだかわからないものをはかれるよりはよっぽどマシだが)。
声もトリプルウオーズのような「やる気のない」ものでなく、ちゃんとそれなりの(あくまでもそれなりの)ものを当てている。ご褒美画面の作り込みには、ニチブツの本気が感じられ、ちょっとだけこの会社を見直した。
■言いたいことはいっぱいありますよええ
まあ、セーラーウオーズはニチブツの脱衣麻雀の中ではよくできた部類に入る。いわゆる「ニチブツ黄金時代」のレベルとでも言おうか。しかし、芸のないプレイヤーの殺し方と言い、意味のない一発殺しステージといい、洗練されていない面も多々ある。まあ、一度にすべてを改善するのは無理だ。とりあえずなんとか遊べるレベルの脱衣麻雀を作ったということでよしとしなければなるまい。
ニチブツは今や、LD/CD/DVD麻雀専門メーカーとなっている。基板麻雀は「プリティセーラー18禁」を最後に制作していない。まあ、最近の脱衣麻雀業界には、優れたメーカーがずいぶん参入しているから、ニチブツやメイクソフトがいなくなったところで痛くもかゆくもない。
とはいえ、ニチブツとダイナックスのいない脱衣麻雀はどこか寂しい。できることならセーラーウオーズをさらに進化させた、21世紀に通用する脱衣麻雀を一発作ってほしいところだ。
洗練されたメーカーには、あのベタベタな老舗の味は出せないからねぇ。
★余談(わかる方のみ)
セーラーウオーズのオペレータマニュアルには、SW.Aの3は常時ONにせよと書いてある。オレの買った基板はOFFになっていたんで、ONにして起動したところおっぱいを隠した「お子様モード」になりやがった。なわけでSW.Aの3はOFFにして遊んでいるが、いったいど〜ゆ〜こったね?
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