■はじめに、おことわり
このページの表紙には、ずいぶんと長い間「麻雀刺客」を予告していた。基板もすでに購入しており、あとは遊ぶだけだったのだが、ハーネスの配線を間違えたようで、キーアサインがでたらめになってしまっていたのだ。
まあ、電気系統の配線は間違っていなかったのがせめてもの救い(高かったんだよぉこの基板)。さて1本ずつ調べて直していくか……
なわけで、今までほおっておいたんです。とりあえずハーネスを作り直したんで、やっとレビューできます。はぁ……。
■掟破りの脱衣麻雀
スーパーリアル麻雀P2やアイドル雀士スーチーパイが、オモテの脱衣麻雀史に残る作品であるならば、麻雀刺客はスーパーマル禁版とともに「暗黒の脱衣麻雀史」に必ず名の残る問題作である。
まあ、ともかく画面を見ていただきたいのだが、モロに某マンガやアニメからパクった絵なのだ。ストーリーは、プレイヤーが彼女(ラムちゃんもどき)とデートしている最中に、次から次へと(なぜか)刺客がプレイヤーに送り込まれ、そのたびに麻雀で勝負するというモノ。3回勝利で勝ち抜けの全5ステージ構成となっている。
登場人物は、1面がらんま1/2、2面がきまぐれオレンジロード、3面がナウシカ、4面がクリーミーマミで、最終面がラムもどきとなる。当時の人気キャラをそつなくそろえた構成だが、肝心の絵が似ていない上にかなりヘタ。らんまもどきはまずまずかわいいが、後のキャラクタはちょっとなぁ……。
この後、日本物産のアニメ系麻雀は、「似ていないアニメ絵」を売りとして、’93年のセーラーウオーズまで連綿と作られ続ける。言ってみれば「ニチブツの悪しき伝統はここから始まった」と。
ちなみにおっぱいは、すべて手のひらサイズで統一されており「作品ごとに統一されたおっぱい」の伝統がここにも生きている。もっとも、麻雀刺客ではおっぱいをモロに見せるキャラクタはひとりしかいない。
おっぱいを見せないからといって、グラフィックがおとなしめかと言えばさにあらず。しっかりとポーズで見せてくれる。水をぶっ掛けてみたり大股開きをさせてみたりしていて、これで絵さえうまければもっとよかったのに……と思わせるくらいさまざまなポーズを見せてくれる。さすが関西メーカー。サービス精神一杯である(しかし、ハダカ踊りはちょっと引くぞ)。
■ニチブツ流(バカ)思考ルーチン
麻雀の思考ルーチンも、ニチブツらしい実に安直なモノだ。難易度は配牌で調整され、ダメなときはとことんダメ。これは声を大にして言いたいのだが、「ニチブツ麻雀の思考ルーチンはまるで進歩していない」。
ただ特徴的なのは、かなりの頻度ですごい配牌(大四喜イーシャンテンとか)が入る。ただしほとんどの場合「うっわ〜すっげ〜」とか思わせといて結局流局。待ち牌はコンピュータが全部握っていたりする、「金縛り」状態になっている。
しかし、そういう配牌をモノにするために存在するのが「気合いツモ」。デフォルトで3個、イーピンをツモることで最大5個までストックできる。これを使うことで欲しい牌が一発でツモれる(こともある)のだ。しかも気合いツモは重ねがけが可能で、3個いっぺんに使えば、かなりの確率でツモれる(こともある)。
そういう意味では、ゲームバランスは決して悪くない(こともある)。また、コンティニューがその場復活(脱いだ服は着ない)というのも、当時としてはすばらしいサービスだった。
■お子様には分からない「味」
麻雀刺客の基板は中古市場で1万5000円くらいと、麻雀基板の中では高価な部類に入る。では値段分の価値があるかといわれると首を捻らざるを得ない。
ただ、麻雀刺客をはじめとするニチブツ麻雀やダイナックス麻雀は、脱衣麻雀通にはたまらない作品である。ニチブツ麻雀と時代を共にしてきた者のみが味わえる悦楽。それが麻雀刺客にはあるのだ。
麻雀刺客はこれから脱衣麻雀を遊ぼうという人には決して勧めない。麻雀刺客の良さがわかる人のみが楽しめばいい。そういう脱衣麻雀なのだ。
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