小名浜第二高校鉄道研究会webサイト
 

E501系基本番代(E501-4〜6)
モータ出力:120キロワット×4(375ボルト/380アンペア)
全界磁定格速度:約39キロ
最高速度110キロ
在籍数:6両

 小名浜線は泉〜小名浜間を10分で結んでいますが、ターミナルが泉というのはちょっとパンチ不足でした。ラッシュ時は15分間隔で走らせても工場に勤務する人であふれる小名浜線も、日中は40分間隔でもガラガラという有様。やはり小名浜はいわきとの結びつきが強いので、いわきへ直行するバスを利用者は選択してしまいます。もちろん小名浜線だって泉でJR常磐線に乗り換えればいわきまで運賃は310円。バスが770円ですから圧倒的に安いのですが、接続時間がバラバラで所要時間が読めない上に乗換えが面倒。さらにいわき駅から市内に出るなら最初からバスに乗ったほうが何かと便利なわけです。みんなが駅に用事があるわけじゃないですしね。
 そこで、小名浜線もいわきへ直通したいと考えましたが、JR常磐線は交流電化で小名浜線は直流電化。みなと公園〜小名浜間の併用軌道の関係で車体幅2800ミリの車両しか走れないので415系やE531系は乗り入れできません。しかもどちらにしても4〜5両編成で、最大3両編成しか入れない小名浜線には使えませんでした。
 そこで、205系を交直流改造することになりました。抵抗制御の交直流電車は、基本的に直流電車に交直変換装置を加えただけですので、改造はそれほど難しくありません。そんなわけでとりあえずすでに運転されていた205系3編成を改造するのはいいとして、いわき延長運転で運用数が増える分の車両を何とか調達しなくてはなりません。そのときちょうどE233系投入計画で廃車になる207系900番代に白羽の矢が立ちました。207系900番代のユニットは3ユニット。ちょうど3編成が調達できる寸法です。
 207系はVVVFインバータ制御でしたが、機器や台車は全部吊り変え、205系5000番代で余剰となった界磁添加励磁制御の機器を調達。交直変換装置は廃車となった415系から調達することで、ありあわせながら立派な交直流電車が誕生しました。
 ナンバーは205系改造組みからの通しで、クモハE501-4+クモハE500-4〜クモハE501-6+クモハE500-6となっています。強いて言えばE501系4番代でしょうか。

えらい人に聞いてみた!
(えらい人:JR小名浜営業所の人)

なぜVVVFから界磁添加励磁制御にシステムを後退させたんですか?
小名浜営業所にはVVVFの検査設備がないからです。現状界磁添加励磁制御で性能面に問題があるわけでもありませんし、小名浜線程度の保有車両では、交流誘導モータのメインテナンスフリーのメリットなんて大してありません。
MM'ユニットで交直変換装置とMGとCPなんてよく載りましたね。
一から吊りなおしましたから、まさにパズルのようになっています。さすがにMGは居場所がないのでSIVを吊っています。CPはかなりかわいそうな位置に追いやられてしまいました。メインテナンスフリーからはかなり遠い車両になってしまったのが残念です。
よくわかんないけど……シンプルな解決を目指してなぜかややこしくしているような気がしないでもないですね。

▲新造車と改造車では方向幕の位置が異なります。

ジャッキーの補足

 207系900番代はパンタグラフの取り付け位置が205系と逆向きなんだ。だからE501系に改造する歳に、M+M'の組み合わせをM'+Mに変えているんだぜ? だから方向幕の位置が初期車とは逆になってるんだ。どうせ機器類は全部吊りかえるんだし、M+M'のまま改造してもよかったんだろうけど、パンタグラフや配管の位置を活かしたかったんだろうな。そんな気がするぜ。
 ちなみにギア比は207系時代は7.07だけど、205系と性能を合わせるために6.06にしてあるんだ。これはいわき〜泉間で110キロ運転を計画していて、7.07だと高速域での加速余力が厳しくなるためだったんだ。もしギア比が7.07のままだったら、全界磁までの加速力が阪神ジェットカーを超える4.8キロ/秒くらいになったかと思うとちょっと残念だぜ!
(ジャッキーはいつもいつもなにが言いたいのよ……)話の意味はよくわからないけど、要するに性能面では初期型も後期型も同一ってことですか?
同じですね。ですから番代区分も必要ないということで、番号も初期型の続きとなってます。
運転台は初期型がツーハンドルで後期型がワンハンドルですが、そのへんの区分は必要ないんですか?
見ればわかることに番代区分の必要は認めません。走行システム、接客設備において同一であれば見た目がどんなに違おうが同じ電車です。お嬢様であろうがなまはげであろうが、機能が同じであれば女子高生は女子高生に違いはないのと一緒です。
呼んだ〜? ていうか姫カットはやく帰ろうぜ〜? アタシいわきで超ゲロウマうどん店を見つけたんだ〜?
まあたしかになまはげも私も女子高生ですね……。見た目ではなく機能で区分するわけですね。なんとなくわかりました。
そんなことないよ! 今は個性の時代だよ! 見た目だって立派な個性さ。何でもかんでもひとまとめにしないで、それぞれの違いを認めてあげるべきだと僕は思うな!
そんなあなたにはわずかな違いで形式を分けまくる近畿日本鉄道さんがお勧めです。
(あ、セリフ取られた……)

▲正面形状や運転台など細かい点が異なりますが、基本性能は同一です。


そのほか見た目で細かい点をあげれば、ドアの窓が後期型は小さいんだ。これは207系900番代の窓が小さかったのをそのまま受け継いでいるからだな。ちなみに運用は初期型も後期型も完全に共通だ! これはシステムが同一だからできる技で、変に限定運用が入るとダイヤの柔軟性がなくなってしまう。たしかにVVVFインバータ制御は優れたシステムだけど、小名浜線のシステムに組み込むにおいて適切かといえばそうではないんだな。
ていうかさ〜? ちょっと聞きたいんだけどさ〜? たまにすっげー電車がうるさいときあるんだけど、あれなんでなの〜?
外扇型モータのクルマに当たったんですね。実は予備品をそろえたとき何台か外扇型が紛れ込んでしまいました。まあメンテとかは共通なんで問題はないんですが、内扇型に比べて高速走行時やかましいのはたしかですね。
その、うるさいモータは何とかならないんですか?
ならないから内扇型モータが開発されました。まあ外扇型は全部で4台しかありませんし、基本的には予備部品扱ですから、よっぽど運が悪くないと当たりませんので安心してください。
ところで、システム的には初期型も後期型も同一だといいましたが、それと好き嫌いは別ですよね? 運転士によってどちらが運転しやすいとかやりにくいとかってあるんですか?
いい質問です。実は運転台の高さが初期型と後期型で異なり、また窓ガラスの面積で視界がちょっと違うんで、運転のフィーリングはかなり違うのです。人によっては後期型は見える範囲が広くて落ち着かないという人はいます。
すると初期型のほうが好まれると。
そうでもありません。後期型はワンハンドルで右手があくので、運転中鼻を掻いたり携帯電話をいじったりするのに便利なので好きだいう人もいます。
いや、ダメでしょそれ……。

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