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HD300形機関車(901〜903号機)
モータ出力:500キロワット
牽引時の速度:約45キロ(シンクロナスモータに全界磁って概念あるのかな)
回送時の最高速度:110キロ
在籍数:3両

 入換用機関車であるDE10の置換え用に製造された機関車で、シリースハイブリッド方式を採用しています。エンジンは発電に専念し、駆動はモータで行なうことでエンジンを効率よく使用することができる一方、シンクロナスモータを使って効率よくトルクを路面に伝えることができます。このため、DE10は5軸だったところをHD300では4軸に減らしても、牽引力はDE10と同等以上の20tfを確保。最大重量こそ60トンですが、軸重は15トンあるので路面への食いつきは申し分ありません。もっとも、簡易線への入線は制限されますが、小名浜線は乙線規格ですので問題ありません。ていうか簡易線で機関車が走る機械なんてもはやほとんどありませんしね。除雪もモーターカーがやっちゃう時代ですから。
 そんなわけでエンジンの力を無駄なく引き出し、かつ電気を効率よく使って力を引き出すHD300は、小名浜線の主力機関車として3両が活躍中です。

えらい人に聞いてみた!
(えらい人:JR貨物の人)

貨物列車けっこう走ってますね。
ええ、沿線に工場がたくさんあるのでそれなりに走ってます。が、こちらはJR東日本ではなくJRお荷物……じゃなかった、JR貨物の管轄なのでそちらに聞いてください。
(この人いつか刺される……)
JR貨物で機関士やってます。よろしく。
なんかいろいろすいません……
2010年にDE10がいっせいにHD300に置き換えられましたね。新型機関車の乗り心地はどうですか?
DE10の5軸が4軸になったから、粘着がきついかなって思ったけどそうでもないわね。どの速度域でもトルクがまんべんなく出るから扱やすっちゃ扱いやすいわね。小雨でもけっこう食いつくし。まあ、不満はない。乗り心地はどっちもどっちね。まあ、エアコンが効いて静かな分HD300のほうがマシかな。

▲小名浜線内の貨物列車は5往復。他に泉駅や日立駅での入換業務という仕事もあります。

ジャッキーの補足

機関車の場合、乗り心地とか速度が出るとかそういうことよりも、貨車をどれだけつないでもスリップせずに引き出せるかが肝なんだ。液体式ディーゼル機関車はトルクコンバータで力を増幅して、比較的馬力の小さなエンジンでも大きな力を出せるんだ。小名浜線の場合最高速度よりもむしろ入換用としての性能が重視されるから、低速のトルクやブレーキ力が重視されるんだ。DE10は車軸を増やしてブレーキ力を確保したけど、HD300は強力な電気ブレーキを持っているから4軸でもDE10にブレーキ力ではまったく引けを取らないというわけだ。
よく知ってるわね。まあ、たしかに摩擦に頼らないHD300はブレーキにおいてはDE10より信頼できるし、いい機関車だと思うけど。
何か含みがあるようですが……。
やっぱね、ものすごい技術でいろんなことを何とかしちゃおうってのはわかるし、実際その成果はたしかに出てるんだけど、低速での路面の食いつきはDE10に軍配が上がるかな。いや、もちろんHD300に不満があるってことじゃないけど。
ここ一番で踏ん張ってくれないとかそういうことですか?
いや、トータルで見たらHD300のほうが優れているのはたしかよ。ただ、低速の踏ん張りってのは入換機だとけっこう気になる部分だから敏感になるのよねどうしても。
そういうもんですか。
まあ、もう一度DE10に戻るか? といわれたら全力でノウ! よ。HD300のほうが扱いやすさでは断然上だし。出した力を無駄なく使ってるなって感じもするし。
ところで、小名浜線ではどんな貨物列車を牽引しているのですか?
東邦亜鉛からのタンク列車が2往復、小名浜埠頭からのコンテナ列車が2往復、宮下からのタンク列車が1往復の計5往復が定期列車ね。このほか小名浜へ回送列車が不定期に発生するかな。

▲郡山へE501系を回送するときにもHD300が牽引します。後の水槽車は控車ですね。


回送列車?
小名浜線の電車が全般検査を行なうときに郡山へ回送するのですが、泉〜小名浜間はHD300に牽引してもらいます。あと、ウチでJR貨物さんの貨車の定期検査を請け負っているので、貨車の回送列車が小名浜まで入ってきます。
それで普段は見慣れない貨車が小名浜にやってくるんだね!
そうですね。小名浜とは関係ないトラやミなど、さまざまな貨車が小名浜に来ます。
ミ? ですか?
水槽車ね。大正時代特急「つばめ」につながってたりしたわね。
そんな前世紀の異物みたいな貨車、どこで何のために使われているんですか?
輸送される品目を詮索するのは運送屋の仕事じゃないから。
信書の秘密は守らなくてはなりません。
……。

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