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おたよりで答える小名浜線

東邦亜鉛駅の謎

 小名浜第2高校の皆さんこんにちは。いつも研究レポートを楽しく拝見しています。ところで、小名浜線には東邦亜鉛駅という駅がありますが、国鉄では企業名をそのまま駅名にしてはいけないのではないのでしょうか? みどり湖駅や舞浜駅が企業名を冠することができなかったのに、なぜ東邦亜鉛駅は企業名がそのままついているのでしょうか。あと、オバマ大統領は絶対に宇宙人が変装していると思います。
(日立市 G男)

えらい人に聞いてみた!
(えらい人:JR小名浜営業所)

……、だ、そうですが。
ブッシュ大統領は宇宙人が変装していましたが、オバマ大統領はそうは思えませんがね。
いや、そっちじゃなくて。
失礼。国鉄は公共交通機関ですから、企業名をつけるのは避けたいというのはあったようですね。小名浜線でも芳浜駅と東高山駅は企業名が入っていたので国鉄編入時に改名しました。
もともとの名前はなんだったんですか?
芳浜駅が東邦亜鉛前駅、東高山駅は水素前駅でした。
水素前って、企業名なの?
駅のそばに日本水素という工場がありました。水素も亜鉛も元素名なのにまったくお役所というのは杓子定規でいけません。
それはともかくとして、東邦亜鉛前駅はまかりならんということで芳浜駅に名前が変わったということは、東邦亜鉛駅も本来は許されざる駅名なわけですよね。
そうですね。
でも現実に国鉄時代から東邦亜鉛駅は存在している。
してませんよ?
!?
▲工場の入口に1両分の仮設ホームがあるだけの東邦亜鉛駅。JR東日本の駅でこれ以上簡素なターミナルはおそらく存在しません。出自が仮乗降場といわれれば納得の駅です。

ジャッキーの補足

実は東邦亜鉛駅が開業したのは1987年4月1日。JR東日本の発足と同じ日なんだ。それまでも芳浜〜東邦亜鉛間には電車が運転されていたんだけど、東邦亜鉛行きの電車は1本も存在しなかったんだぜ。何を言っているのかわからないと思うけど、電車は必ずしも駅が終点になるとは限らないって事なんだ。当時東邦亜鉛駅は存在しなかった、けど利用客は東邦亜鉛「駅のようなところ」で乗り降りしていたんだ。
……すいません。ジャッキー最近探偵物にハマってて思わせぶりな言いかたが癖になっているみたいです。
若いときはそんなもんです。つまり東邦亜鉛って駅は存在しなかったんですが、東邦亜鉛の行員輸送用に仮乗降場を設置していたんです。仮乗降場ですから管理局の裁量で作れますし、駅名に関しても駅じゃないので企業名をつけるなとかそういった制約はありません。
つまり、東邦亜鉛仮乗降場ということなんですね。
実際のところ駅名はなかったんですけどね。利用客や乗務員が勝手に東邦亜鉛と呼んでいたにすぎません。運賃計算上は芳浜駅の構内という扱いでした。
小松島港駅と同じような取り扱いだったんですね。
そういうことです。その後分割民営化を契機にすべての仮乗降場を駅に格上げすることになって、事実上の駅名となっていた東邦亜鉛を正式な駅名にしたというわけです。
▲駅看板もよく見ると規格外。駅看板の下に時刻表がかいてあるあたりからもぞんざいな扱いが見てとれます。
 
 
JRになってからは企業名を冠してもかまわないんですか?
JR九州さんのスペースワールド駅、ハウステンボス駅や弊社のウェスパ椿山駅など、ごく普通に採用されています。
駅名なんて利用客がわかりやすいのがいちばんだからな。
そうですね。宇宙人もブッシュ大統領などに変装せず、堂々とインディペンデンスデイをすればよかったのです。
 
それはもういいから。

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