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かつて小名浜線では海水浴シーズンに、「小名浜の休日号」という臨時快速列車を運転していたんだ。運転区間はホリデー快速と同じ水戸〜小名浜埠頭・小名浜港間。車両はキハ36を使用していたんだ。停車駅は当時の急行なみの水戸・勝田・東海・大甕・日立・高萩・磯原・植田・泉・小名浜と小名浜からの各駅だったんだけど、キハ35の最高速度は95キロ。所要時間は小名浜まで96分もかかったんだ。表定速度はそれでも53.3キロと頑張ったんだけど、ロングシート車両でしかもトイレなしのキハ36ではさすがに評判が悪く、1985年〜1988年の4シーズンで運転は終了したんだ。 |
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小名浜線は2900ミリ幅の車両が入線できないからキハ36だったの? |
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そうです。ワイドボディ車の入線ができないので401系やキハ58系は使えませんでした。 |
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キハ20とかキハ17は使わなかったんですか? |
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キハ20系などにはトイレがあります。小名浜線は線路と住宅地の間にあまり余裕がありませんので、垂れ流し式のトイレが使えません。そのためトイレつきの車両は入線をお断りしました。 |
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なるほど……結果残ったのがキハ36なんですね。って、96分トイレなしだったんですか!? |
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はい。そのため車両の連結部分で用を足す方が続出しまして、大宮へ返却する際に小名浜の職員が総出で掃除をしたのです。実にいやな思い出です。 |
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そりゃあ評判も悪くなりますね……。 |
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はい。ですから小名浜営業所としてはホリデー快速設定の際、稼ぎにならないトイレの設置など受け入れるつもりはありませんのでトイレを我慢できる所要時間60分台にこだわったというわけです。 |
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はあ……。トイレが近いからかっ飛ばすというわけですか。 |