プロトタイプ ALCO製モーガル機関車+ダブルルーフ客車
分類 豆汽車
採集場所 東武動物公園
採集年月日 平成21年7月19日


 東武動物公園の動物園エリアに行くには西口から入るのが近道ですが、あいにくバスは東口からしか発着していません。そんなわけで東口から動物園に行く人は連絡バス(無料)に乗っていくわけですが、鉄道マニアなら300円余計に出して「太陽の恵み鉄道 パークライン」に乗るべきでしょう。
 パークラインは一見遊園地の豆汽車のようではありますが、東ゲート〜ハートフルランド間を20分間隔(休日)でちゃんとダイヤに則って運転している本格的な鉄道。途中のリバティーランドでは列車交換も行ないます。さすが鉄道会社が親会社の遊園地。このへんは実に本格的です。
▲休日ダイヤではリバティーランド駅で列車交換も行なわれます。つまり信号設備もそれなりのものが用意されているというわけです。このへんからも単なる豆汽車とはシステム的に一線を画していることがわかります。

 機関車は朝日テック製のバッテリーカーで、客車7両を牽引するため3軸駆動として粘着力を稼いでいます。一見2-6-0のモーガルに見えますが、先台車はダミーです。実車ならポイントなどでの脱線防止に効果のある先台車も、模型や豆汽車ではかえって脱線の原因になるので、この措置は正しいと思います。

▲テンダーこそはありませんが、モーガルらしいシルエットは好感が持てます。機関車はこのサイズでは実績のある朝日テック製です。マニア的には黄色や橙じゃなくて濃い緑あたりで渋く決めてほしいなとか思ったり思わなかったり。

 機関車は派手な黄色やオレンジで塗られていますが、形状そのものは典型的なアメリカンモーガルで、テーパーつきのボイラといいダイヤモンドスタックといいカウキャッチャといい、実にアメリカン。機関室の窓の形状もALCO社の機関車を思わせるいい感じの処理です。この手の豆汽車というと、軸配置4-4-0のアメリカン型が多いんですが、いかんせん乗車定員98人(!)ですから、2軸じゃあ粘着力に不安があったのかもしれません。
 ところで、豆汽車ってのはたいていの場合エンドレスの線路配置を設定します。これは基本的に運転台が片方にしかないので折り返しができないからなんですが、パークラインは両端にターンテーブルを用意して機回しをします。すげーなー。ここまでやるか東武動物公園。やはり親会社が鉄道会社だけあるな(2回目)。
 まあとにかく、いろいろ気合の入った豆汽車なんで、ホワイトタイガー見に行くついでに一度乗ってみてください。

▲機回しするわ連結開放するわと何かと本格的なパークライン。ただ、連結の際は機関士が下りて機関車を手で押して連結するんですが、これはこれでトロッコ鉄道みたいでよい感じです。

▲単線2閉塞運転をしているということは、保安上信号によって閉塞運転を行なわなくてはなりません。ですからパークラインは信号と速度制限の標識も完備しています。車両はメルヘンチックですが、システムを見ればかなり本格的な鉄道です。

追記:なにげに販売元であるA2レジャーのウェブサイトを見たら、この機関車の製品名が「弁慶号」になっていました。まてまてまてまて。ダイヤモンドスタックにカウキャッチャーつければ何でも弁慶号ってのはいかがなもんか。つか、どう見ても弁慶号には見えませんがな。

追記2:(23年8月25日)

 
 東武動物公園が開園30周年であることを告知するポスターを見たところ「マンハッタントレイン」という名前でパークラインが紹介されています。その写真はどう見ても米チャンス社のシングルドライバーです。この点について東武動物公園に問い合わせたところ、機関車だけ後年交換したとの返事をいただきました。機関車だけ? と写真を改めてみたら客車の軸箱に★印が!(上から4枚目の写真参照)。この軸箱は米チャンス社の車両であることを示す何よりの証拠。うかつでした。
 機関車だけ見て客車まで朝日テック生徒判断してしまったわけです俺。まったく思い込みというものは目を曇らせてしまうものです。ここに自戒とともに改めて報告する次第です。
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