▲カウキャッチャーは多分他の製品からの流用。連結器や端梁が存在しないライドでは、正面部分を引き締めるのにカウキャッチャーをつけるのはよくあることです。


▲操作は自動。子供が運転に介入できるのは汽笛を鳴らすことだけ。


▲「義経」のエッチング板。それにしてもどこから見ても義経には見えないのだった。

プロトタイプ 本文参照
分類 ミニ列車(設置型)
メーカー ホープ
採集年月日 平成21年9月13日
採集場所 八王子そごう


 ホープのミニ列車は、基本的にボギー車両の2両編成となっています。しかし1980年ごろの製品は必ずしもそうではなく、ここに紹介する義経号および謎のメルヘン機関車はでは、機関車+2軸車の3両編成となっています。
 車体側面には「義経」の銘板がついていますが、実車の「義経」は「弁慶」とほぼ同一の形状ですので似ても似つきません。これはおそらく八王子そごうが先に「弁慶」を導入していて、そのライドと対になる名前として「義経」を命名したのではないかと推測します。ただ、「義経」のネームプレートはエッチング製の本格的なもので、八王子そごうのためにホープがわざわざネームプレートを作ったものかという疑問は残りますが……。
 さて、機関車をもう少し冷静に観察すると、側面にごついリベットを浮き上がらせたサイドタンクが目に付きます。サイドタンクにしては高さが低く、カウキャッチャーが前面についているのが気になります。少なくともこういった形状の機関車は日本では東洋活性白土の予備機関車くらいしか思いつきません。東洋活性白土の機関車は晩年、貴重な軽便鉄道の現役蒸気機関車として脚光を浴びたのでモデルにされたとしても不思議ではありませんが、それでもモデルにするなら稼働機関車の2号機「くろひめ」だと思います。車庫からほとんど出ない予備機をモデルにする理由はありません。
 いずれにしてもキャブの造形などから想像して、日本の蒸気機関車をモデルにしたことはほぼ間違いないでしょう。
 ところで一番上の写真を見ていただきたいのですが、機関車の煙室扉にナンバープレートがついています。この番号が1880なんですが、仮に義経号なら7100になるはずです。じゃあこの1880というのはどこから来たのか?
 しいて言うならば、義経号の製造年が1880年ということくらいですか……。
 こちらは長崎屋溝の口店で放置されている「義経」と同タイプと思われるホープの『レッドアロー号(1978年発売/OP価格100万円)』。この製品からホープもバッテリ駆動からAC駆動になりました。それはそれとしてメルヘンチックな塗装と造形に目を奪われてしまいますが、ごついリベットのサイドタンクが『義経』とたいへん似ているので同一もしくは関連製品ではないかと推測しています(平成21年8月15日撮影)。
トップへ戻る inserted by FC2 system