現在いわゆる線路ものは、朝日テックくらいしか新規に製造していませんが、かつてはホープやトーゴ、ニチゴなどが線路ものを作っていました。ホープやニチゴの場合は割と常識的な「ああ、鉄道の線路だね」といった感じのものですが、トーゴの線路は一種独特でした。レールは地面から浮いており、パイプ情の線路をひょろひょろの新幹線やF1マシンが走るというもの。個性的ではありますが一種独特でした。 トーゴの線路の利点はまず、脱線の危険が皆無であるということです。パイプを3方向からがっしり押さえていますので、たとえば誰かがうっかり列車にタックルかけても脱線は起こりません。また、左右の車輪が車軸でつながっていない、つまり独立懸架なので通常の鉄道ではありえない急カーブを設定できます。つまり狭いスペースでも鉄道型ライドを設定できるというわけです。業務用の器具においてスペースユーティリティーは重要です(あと、特注のI型鋼よりも市販の鉄パイプのほうがたぶん安く上がる)。 で、この「道の駅 どまんなか田沼」に設置されたミニ汽車のライドはまさに省スペースで急カーブや急勾配に対応。線路が中空なので線路よりもかなり低い位置にラックレールを設置することで、ラックのギア比を高く取れます。つまり、小さなパワーで急勾配が設定できるわけです。 このように、トーゴの鉄道システムは小さなスペースでできる限り鉄道を楽しんでもらおうというコンセプトから、このような形が生まれています。さすが遊びを知り尽くした会社です。 もっとも、遊びは知り尽くしてもモデルに対しての関心があまりなさげなのもトーゴなんですが。 |