▲緑色のキャブ、黒いボイラ、赤い端梁など、どこかLGBの機関車を思わせるカラーリング。

▲フルワーキングバルブの足回りはこだわりの逸品。第3動輪の下にコレクターシューがあり、位置検知などを行なっている模様です。

▲運転台。電圧計および電流計を見ると、この機関車が直流電源で動いていることがわかります。中央のハンドルが速度制御用のコントローラです。

▲客車の最後部は車椅子対応スペース。車椅子のまま利用できるようホームにもスロープが設置されています。

▲連結器は並連を模したなかなか立派なもの。ただ、開放梃子が見当たらないのが気になりますが。
プロトタイプ ボールドウィンタイプタンクロコ
分類 ミニ列車
メーカー 泉陽工業/朝日テック
採集年月日 平成22年8月18日
採集場所 華蔵寺公園遊園地


 群馬県伊勢崎市の華蔵寺公園遊園地を走る豆汽車は、朝日テック製の「ボールドウィン号」です。1993年に納品されたこの車両はなかなかの本格派です。動力は電動ですが伝動はロッド。しかもフルワーキングバルブです。これはけっこう手間(=コスト)がかかると思うんですが、蒸気機関車らしい演出に一役買っています。そして機関車と客車をつなぐ連結器はナックルタイプの連結器でこちらも本格派。客車の最後尾が車椅子スペースになっているのも新型の車両らしい思いやりです。これで運賃は70円というのだからこれほど乗り得な豆汽車もないと思います(しかも華蔵寺遊園地は入場無料なのだ!)。
 ところで線路を見るとわかるのですが、この豆汽車はゲージ間にサードレールが配置してある泉陽興業方式です。このサードレールを見ると一瞬交流3線式と勘違いしてしまいます(実はとちのきファミリーランドで思いっきり勘違いしていました俺)が、運転台を見れば直流電源で動いていることは一目瞭然。また、左右のレールを短絡していないことからも交流方式は否定できます。おそらくバッテリ駆動(定格で50ボルト出ていますが……)と推測されます。
 サードレールに関しては機関車からコンタクタのようなものが出ていることから、おそらく列車の位置検知に使っているのではないかと推測します。この豆汽車は直線区間の最高速度が10キロ、カーブでは5キロの速度制限をかけているので、たとえば汽車がカーブに超過速度で突入した場合、非常ブレーキをかける機能くらいはあるのではないでしょうか。
 このへんは推測に過ぎないので、今後も調査を続けたいと思います。
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