この弁慶号は1989年に八木山ベニーランドに登場しました。機関車+客車6両の編成で一度に36名を輸送できる豆汽車です。この汽車は朝日テックの弁慶号です。現在の同社カタログに掲載されている弁慶号とは形や軸配置が異なりますが、テンダの構造やカウキャッチャの造作から朝日テック製と見て間違いありません。軸配置は4-4-4。テンダのフレームがキャブに食い込んだ独特のつくりとなっています。ちなみに現行の弁慶号は軸配置4-4-0。テンダとキャブの間はぽっかりと空間が開いています。 で、この弁慶号、どこかで見たことある造作だなと思ったんですよ。それは八王子そごうの屋上にあった弁慶号。八王子そごうのそれは軸配置こそ0-4-0となっていますが、キャブ窓の造作とランボードのぶった切り方に共通点が見出せます。ここからおそらく八王子そごうの弁慶号も同時期に作られたのではないかなと推測できるわけです。 もうひとつ注目したいのはシリンダです。現行の弁慶号は実車に合わせたシリンダ配置となっておりかなり簡単なものですが、ベニーランドの弁慶号のバルブ周りはワルシャート式を模したような形状になっています。いろんな意味で注目に値する豆汽車といえましょう。 |