ジョリートロリーはすでに廃止されてしまったアトラクションですが、現在もフォトスポットとして車両が残されている(通電もされています)ほか、軌道や施設も撤去されずに残っているため紹介します。 ジョリートロリーはディズニーランドのトゥーンタウンをドッグボーン状のエンドレスで周回する路面電車で最高速度は約5キロ程度、2列車が無閉塞で運行していました。全線が併用軌道のため、レールから集電する方式は使えないためにバッテリーを動力源として1台のモータを回しています。車両は走行中車体が上下に動くほか、ゼンマイ動力を演出するために屋根のゼンマイがくるくる回る仕掛けが施されており、フォトスポットとなった今でもゼンマイはくるくる回っています。 車両はオープンデックのトロリーで、座席が外を向いたタイプ。このような座席配置の車両は日本では東京モノレールくらいしかありませんが、メリケンのトロリーではそこそこメジャーでした。いまでもサンフランシスコのケーブルカーでこのようなタイプの座席を見ることができます。いろいろコミカライズされていますが、フートステップやゴングなど、細かいところはしっかり押さえられています。 運転台はワンハンドルマスコン。直巻モータを電圧制御するタイプで9ノッチが刻まれています。現役時代に乗車していないのでなんともいえませんが、おそらく鉄道模型のパワーパックと同様の制御が行われていたものと思われます。 ジョリートロリーはほかのキッズライドのようにトンネルに車両を保管するのではなく、車庫に収容していました。そのため線路にはポイントが存在しますが、ポイントはすべてスプリングポイントで、車庫に収容するときのみ手動で反位にする方式。メインテナンスや運用を考えれば実に理にかなった方式です。そしてゲージは914ミリ。こういうどうでもいい設定にも手を抜かないあたりが、ディズニーランドのディズニーランドたるゆえんなのでしょう。 ジョリートロリーはそれなりに人気はあったようですが、いかんせん輸送力が小さい(1列車わずか8人。ウェスタンリバー鉄道の1列車144名とは比べるべくもありません)のと、トゥーンタウンは自動車ならぬゲストの大渋滞(混雑時は京都市電よろしく先走人が人払いをしながら走っていました)など、さまざまな理由で2009年4月14日をもって廃止となってしまいました。 そんなところまでリアルにやらんでも……。 ▲運転台。ワンハンドルマスコンですが、おそらく電圧制御なのでブレーキはノッチ0で電源遮断という形で行われていたと思われます。駆動方式がよくわからなかったので断定はできませんが、時速5キロ以下なら惰性走行もほとんどきかないと思いますので、ブレーキがなくても十分実用になったと思います。
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