▲造形的にもホープやトーゴの文法とは明らかに異なる造作が見られます。なお、動物の絵は井の頭公園でつけられたものでしょう。たぶん。カトウ製作所の手によって描かれたものと推定します。
 
 

▲ハンドルもトーゴのそれに見えますがリムの接合が異なります。これはキクチハンドメイズの製品を見分ける重要なポイントです。
プロトタイプ 救急車
分類 ムーバー
製品名 回転救急車(キクチハンドメイズ/1976年)
採集場所 井の頭公園
採集年月日 平成21年6月23日


 このライドは何らかの商用バン救急車をモデルにしたキクチハンドメイズの『回転救急車』をムーバータイプにしたもの(本来の『回転救急車』は前進→回転→前身→回転を繰り返す)ですが、井の頭公園でこいつを見たときには頭を抱えました。というのは、リペイントされていてメーカーズプレートもなければステッカーもないという状態だったのです。
 で、当時いろんな特徴を探してみたんですが、ハンドルの形状がトーゴでもホープでも真砂でもカトウでもない。もしかしたら昭和鉄工? とも思ったんですが違いますね。唯一の手がかりと思えるのがホイールに刻印されている「KIKUCHI」の文字。現在アミューズメント業界にキクチと名のつく製造メーカーは見当たりません(250×66という数字はたぶんタイヤの直径×厚み)。このKIKUCHIの謎を解くには、いろんなライドを探すしかないでしょうな。最低限住所と会社名さえわかればそこから突破口になるのですが……。このライドは世にも珍しいキクチハンドメイズの『子どもの国の救助隊』という救急車で、1974年ごろに発売されている製品です。キクチハンドメイズは1980年に倒産していますので2009年に稼働の個体が残っていたのは奇跡といっても過言ではありませんね。
 あ、ライドとしては基本を押さえた普通のできです。前面のラジエータや側面のリブなど、特徴的な部分もしっかり押さえています。
 
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