桐ヶ丘商店街の古典ライドたち
 JR赤羽駅から歩いて10分くらいのところにある桐ヶ丘住宅。ここには団地の中の商店街である桐ヶ丘商店街があります。これはこれで団地マニアとしては存分に語りたいところなのですがそれはさておいて。
 この桐ヶ丘商店街の中にある玩具店「ふくしま」の店頭に、かなりの年代ものライドが置いてありました。会社の同僚が深夜のテレビで「なんかすっごい古いライドが出ていた」と教えてくれたのがきっかけで、ちょっくらいってみっかってことで出かけてみました。
 まず、店頭には自動車、パンダ、シマウマ、宇宙船のライドがありました。いずれもかなり年季が入った一人乗り用で、メーカーズプレートはすでに欠落していました。これだけまとまった形でホープのKDSシリーズがあるというのはホント奇跡ですね。それにしてもまあ、なんともプリミティブなライドだこと! しかもこれが現役で稼働するのだからたまりません。

▲クラシックカーをデザインしたホープの『KDS-05 自動車(FLOWER CAR)』。ラジエターグリルのデザインが秀逸です。


▲仰向けのパンダに乗るという発想がすごいと思いました。パンダのやる気のない顔もたまりません。


▲メリーゴーラウンドにいそうなカラーリングの『KDS-16 シマウマ』。ところで手前のKDS-05のハンドルに注目。ハンドル形状と取り付け金具の形状はホープのそれです。ということはこれはホープ製ということになります。

▲『KDS-03 ヒコーキ』。プリミティブ極まりない優れたデザインの機体です。同系統の製品で『KDS-08 宇宙船』もありました。

 ここで俺はかなり満足のいく成果をあげたのですが、ついでだからこの味わい深い団地を一回りしようという団地マニアの血が俺に新発見をもたらしました。団地マニアをやっていてよかった!
 ふくしまの店舗脇の路地裏に、廃棄されたライドが置いてあったのです。
 ここにあるライドは5台。宇宙船、ペリカン、戦車、外輪船、流星人間ゾーンです。流星人間ゾーンを除く乗り物はホープの『木馬シリーズ(小型)』で、一人用のKDSシリーズです。
 また、片手がもげたヒーローは、Twitterの特撮クラスタの皆さんから教えてもらった(ありがとうございます!)ところ、「流星人間ゾーン」という番組が元ネタだそうです。これが1973年放映ですから、戦車の年代とほぼ一致します。ですのでこれらのライドは1973〜76年ごろのものであると推定しました。

▲片手がもげている「流星人間ゾーン」。1973年の作品ですので今から30〜36年前の製品と推測できます。

▲どれもこれも年代もののライド。手前から『KDS-06 外輪船』『KDS-21 戦車』『型番不明 ペリカン』『KDS-08 宇宙船』。戦車のH-76は「ホープ 1976年」の意味か? 

 いずれにせよこのようなライドが残っているのはたいへん貴重です。状態は決して良好ではなく、路地裏の5台はいずれ廃棄されてしまうかもしれませんし、現役稼働の4台も心もとない状態ではあります。機械が機械としての役割を全うし、廃棄されることに対して感傷的になる感情は俺は持ち合わせていませんが、ただひとこと「おつかれさま」とは言いたくなるライドたちでした。
 

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