六甲バス運転系統図。現在は有馬営業所と六甲営業所の2ヶ所(ただし六甲営業所は有馬営業所六甲派出という扱い)でオペレーションしている。 バス事業 六甲電車の路線バス事業は、有馬地区4系統9km、六甲地区3系統16.4kmの計7系統25.4kmで行なっている。バスの保有台数は路線33台・高速18台で、すべてが有馬営業所の所属となっているが、有馬地区と六甲地区は路線がつながっていないため、有馬営業所所属の33台のうち16台が、六甲山駅近接の有馬営業所六甲派出にプールされている。なお、定期検査は六甲所属車両も含めてすべて有馬営業所内の検査庫で行なわれる。 かつては船坂地区や芦屋地区にも路線を持っていたが、他社との競合や自家用車へのシフトにより撤退し、営業所も有馬1ヶ所に集約し、合理化を重ね存続しているのが現状といえる。 高速バスに関しては1988年より参入し、三宮〜新宿・高松・博多といった長距離夜行運転も行なっていたが、2002年の規制緩和による新規事業者の参入で価格競争が始まり、運賃面で太刀打ちできなくなった夜行路線は2010年を持って撤退し、現在は乗務員のワンマンオペレーションが可能で中規模の需要が期待できる、三宮〜城崎・舞鶴・小浜の3系統を昼行便で運行している。 車両は11m級、4列シート定員42名の一車種に統一し、保守・検査体制の合理化および運用の効率化を図っている。。 瑞宝寺付近を走る六甲バス。営業エリアは山間部の路線で坂が多く、有馬温泉病院へ通院する高齢者などを中心に利用は多い。 一般路線車両は2000年代までは11m級の車両が中心だったが、最近では11m級車の置き換えに、日野自動車のポンチョといった小型車が導入されており、機材の小型化が進んでいる。一方で六甲地区には東京特殊車体によってレトロ風ボディに換装された車両が2台運行されており、観光客に好評を博している。 有馬地区のバス路線は、温泉の中心街と神戸電鉄岡場駅・六甲電車電鉄有馬駅・瑞宝寺駅をネットするフィーダー輸送のほか、有野台団地やエクセ有馬からの有馬温泉病院への通院客といった需要に支えられている。特に有馬温泉病院は六甲電車瑞宝寺駅からわずか300mの位置にあるとはいえ、その道のりは6.7%の勾配を延々と登る必要があり、病院厳寒にダイレクトアクセスするバスはお年寄りを中心に重宝されている。 六甲地区は完全な観光路線で、平日は各系統が60分ヘッドで運行される閑散路線だが、シーズンともなれば有馬営業所の遊休車両も動員してのピストン輸送が行なわれる。魔やロープウェイ、六甲電車、六甲ケーブル・有馬六甲ロープウェイを横方向に連絡するバス路線はこれらの交通機関のフィーダー的な重責も担っている。 バスのカラーはレトロ車両以外は六甲電車の旧塗装に準じており、年配の方には懐かしさを感じさせるカラーとなっている。 レトロ風バスを除く六甲バスのカラーリングは、六甲電車の旧塗装に白線を足したもの(100形特急塗装と同様)。〈六甲工場公開イベントの展示〉 このほか、自動車業としては2004年までタクシー事業も営んでいたが、2002年の参入規制の緩和により競争が激化。六甲電鉄グループの給与水準では採算見込みが立たなくなり、今後も業績回復は不可能として、現在は事業から撤退している。 ホームページに戻る |