六甲電車

 

終日走る特急(左)と朝夕ラッシュ時に運行される通勤急行(右)。〈紅葉丘〉

六甲電車の列車種別
 六甲電車の種別系統は、定期列車において特急・通勤急行・通勤準急・準急・普通の5種類で、急行が存在しないのが特徴だ。1984年までは急行の設定があったが、輸送事情の変化により現在は大晦日に宝塚発海岸通行きが1本、元日に海岸通発宝塚行きが1本運行されるのみとなっている。
 また、各種別の英語表記は普通電車を除いて色+Expressに統一されている。これは停車駅パターンを名前でなく色で案内したほうがわかりやすいからというのが六甲電車の説明だが、ならば日本語も「特急」ではなく「赤急行」とすればよいのではないかという気もするが、日本語では呼びなれた種別のほうがわかりやすいということらしい。
 しかし、休日に運行される「行楽通勤準急」というセンスはどうにかならないものだろうか。

現行種別
特急(Red-Express)
 終日運行する列車種別で、早朝・深夜を除き10分間隔で運行。運行区間は海岸通〜元町〜宝塚〜日生中央・妙見口で、日生中央行きと妙見口行きが毎時1本、残り4本は宝塚行きというのが基本。
 車両は2000形が限定で運用される。検査などで予備車両がなくなった場合でも阪急・能勢電鉄の保安装置を搭載しているのは2000形のみなので、直通特急は必ず2000形が充当される。
 停車駅は海岸通・元町・三宮・新神戸・電鉄有馬・宝塚・川西能勢口・平野・畦野・山下と山下からの各駅。

通勤急行(Orange-Express)
 平日朝夕のラッシュ時におよそ20分ヘッドで運行。朝の列車を中心に7両つなぎになる唯一の種別。車両は特に限定されないが、増結車の1000形と歩調を合わせやすい1200形・1500形の運用が多い。また、阪神競馬場で重賞レースが行なわれる際は、臨時行楽通勤急行として休日の午前中に運行されることもある。
 停車駅は元町または東公園・市役所・三宮・上野通・電鉄六甲・六甲山・電鉄有馬・船坂と船坂からの各駅。

通勤準急(Perple Express)
 通勤急行同様平日朝夕のラッシュ時におよそ20分ヘッドで運行。通勤急行が通過する駅を補完する一方で、通勤急行の停車する上野通・電鉄六甲・六甲山を通過する。金仙時湖線に入る唯一の優等種別で、休日やイベント・野球開催日には臨時行楽通勤準急として日中にも運行される。山上の街駅に停車する関係で、700形・800形・1000形・1200形・1700形は通勤準急には使われない。
 停車駅は東公園・市役所・三宮・新神戸・電鉄摩耶・六甲山口・山上の街と山上の街からの各駅。

準急(Blue Express)
 早朝・深夜と日中を中心に10分ヘッドで運行。神戸市内は速達列車として、宝塚市内は特急の補完列車として運行する。日中の準急はランカーブがシビアなため、性能上の問題から2500形・2700形が限定で使用される。また、山上の街駅に停車するためそれ以外の時間帯でも700形・800形・1000形・1200形・1700形は通勤準急には使われない(ただし六甲山口どまりの準急はその限りではない)。
 停車駅は東公園・市役所・三宮・新神戸・電鉄摩耶・電鉄六甲と電鉄六甲からの各駅。

普通(Local)
 各線で終日にわたって運行される種別。ただし六甲山口〜宝塚間は早朝と夕方以降を除いて設定がない。普通電車の運行区間は10分ヘッドを基調に、ラッシュ時は臨時系統を加えて輸送需要に応える。停車駅はもちろんすべての駅。世の中には各駅停車を名乗りながら駅を通過する不埒な列車もあるが、六甲電車の普通電車は誠実なのですべての駅に停車する。

過去に存在した種別、臨時種別
急行(Green Express)
 1984年までは日中20分ヘッドで東公園〜宝塚間に設定されていたが、1984年7月の新ダイヤで、特急・急行各3本の運行から特急6本の運行となり消滅。現在は大晦日に宝塚発海岸通行きが1本、元日に海岸通発宝塚行きが1本運行されるのみとなっている。
 停車駅は海岸通・東公園・市役所・三宮・新神戸・電鉄摩耶・電鉄六甲・電鉄有馬・船坂・宝塚。

2015年の急行は800形が担当。〈紅葉丘〉

通勤特急
(Pink Express)
 2015年3月まで設定されていた種別で、朝夕のみ60分ヘッドでの運行。停車駅は現在の特急停車駅と同じ。当時の特急は能勢電鉄内の笹部・光風台・ときわ台の3駅を通過しており、朝夕ラッシュ時のみこの3駅に停車する列車として通勤特急が設定されていたが、2015年3月の新ダイヤで特急が上記3駅に停車することとなり消滅。

快速(Rapid)
 昭和20〜30年代に設定されていた優等種別で、停車駅は現在の準急から新神戸を抜いた(当時新神戸駅はなかった)もの。当時の六甲電車は現在の布引駅から市電に乗り入れていたが、接続駅の布引には停車しなかった。元町まで専用の高架線ができた1963年に準急に改称され消滅。

市電直通時代の快速。市内線に直通する列車はすべて快速だったため、種別板は掲示されていなかった。六甲電車線内での通過駅のほか、市内線も一部電停を通過していた。

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サマンサ 2015
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