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ダイナマイトパイン輸送
ダイナマイトパイン輸送
 楽園軌道では細々とながら、平日に1往復、貨客混合列車を運行しています。
 運行区間は左図にあるように、B号系統の森島フーズ電停から終点の営林署まで。営林署電停からは森島森林鉄道・森島フーズ専用線が伸びており、森島フーズ専用線で運ばれてきたダイナマイトパインを営林署電停で荷受けし、食品加工工場のある森島フーズまで輸送(逆方向は空荷)しています。
 楽園軌道は機関車を所有していないこと、またA号・B号系統は単線ネットダイヤで貨物列車のためのダイヤを開けられないため、旅客電車の後ろに貨車を1両つなげたミキストとして運行しています。
 ここで森島名物のダイナマイトパインについて説明します。
 ダイナマイトパインはほぼ森島内で地産地消される果物で、強烈なにおいと甘味が特徴です。
 実は気圧変化にたいへん敏感で、木になった果実は夏の温度変化で膨張・破裂し、周囲に種子と果肉をまき散らします。そのとき玉ねぎの腐ったような強烈なにおいを発し、鳥や生物に食べてもらうことで植生を広げています。
 それゆえに航空機による空輸もできず、かといって船便では輸送中に鮮度が落ちてしまうため、加工食品とするか森島内部で地産地消せざるを得ないのが実情です。
 とはいえ、森島名物ポリゴン牛の「箸で切れる」柔らかさはダイナマイトパインの汁に漬け込むことで生まれるものなので、森島にはなくてはならない食べ物であることは間違いありません。
 ところで、ダイナマイトパインは気圧変化だけでなく衝撃にもたいへん弱く「水風船を運んでいるようなもの」だといわれています。トラックでダイナマイトパインを輸送中、うっかり段差に乗り上げてしまうとその衝撃で破裂してしまうこともあり、それゆえに衝撃の少ない鉄道輸送を行っているとも言えます。
 そうはいっても楽園軌道は路面電車です。突然の飛び出しで急ブレーキをかけることは珍しいことではありません。その衝撃でダイナマイトパインが破裂することもあるわけですが、それでも「トラック輸送よりはリスクが少ない」ということで、鉄道輸送を行っているとのことです。


ダイナマイトパイン輸送を追いかける

早朝5:40 駐車場に止めておいたパ1形貨車を引き出すB号系統営林署ゆき電車。貨車をつないだ後、森島フーズ電停から0501Bとして営林署に向かう。駐車場と本線をつなぐカーブはR=10mという急カーブなので0501Bの運用は300形・520形に限定される。


営林署電停から伸びる森島森林鉄道・森島フーズ専用線では、畑から収穫したダイナマイトパインをトロッコに載せて営林署電停まで輸送する。なお、ダイナマイトパイン畑の場所は保安上の問題から秘密とされている。


営林署電停でトロッコに満載したダイナマイトパインをパ1に積み替える。1個1個丁寧に運ばないと破裂するので神経を使う作業だ。この貨車は夕方の1692Bにつながれて森島フーズに戻る。


1692Bが森島フーズ電停に到着。ここでパ1は切り離される。


構内入換車が電停まで迎えに行き、森島フーズの作業線に収容。夕方のラッシュでクルマ通りの多い時間帯なので神経を使うとか。


積み下ろしが終わったパ1は、道路を横断して駐車場に戻して、パ1の1日が終わる。
dan564@gmail.com /サマンサのTumblr
サマンサ 2018

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