トップページ 森島と楽園軌道 森島は日本最南端にある、人口35万人の小さな島です。これといって目立った産業はないのですが昔から船舶の中継点となっており、港町はそれなりに人でにぎわっています。 島の大半は山岳地帯で、居住可能な平地は全体の10%にも満たないのですが、そのおかげで水資源は豊富なこともあり、昨今では半導体系の工場も立地しています。 また、古くから両替機の製造が盛んで、とくにキーテクノロジであるクレイドルの品質には提供があり「両替機は森島に限る」と太鼓判を押す金融機関は少なくありません。 農作物ではダイナマイトパインとポリゴン牛が名物です。薄皮饅頭のように皮が弱いダイナマイトパインは、わずかな圧力変化で破裂し、周囲に玉ねぎの腐ったようなにおいをまき散らしますが、味は南国果実の皇帝といわれるほど常習性があります。 また、そのダイナマイトパインに漬込んだポリゴン牛の肉は、口の中でとろけるような柔らかさに定評があり、森島土産の主力をなしています。いやだって、業務用両替機をお土産に買う人はいないでしょ? まあ、空港に「両替機キーホルダーの自動販売機」ならあると思いますが。 森島全体図。画面の都合上横倒しになっていますが、画面左側が東で右が西です。 路線図。西(いり)線は元鉄道線なので路面電車の東(あがり)線よりは駅間距離が長め、空港線は山の中を一直線にトンネルで突っ切るため、駅間距離が極端に長くなっています。 運転系統図。定期運転の系統は上記5系統となる。 楽園軌道は、この森島の少ない平地に3路線を展開しています。港のある桟橋通りを中心に東方向に進む東線(あがりせん)、西方向に進む西線(いりせん)、そして新しくできた森島空港に向かう空港線です。 東線はほぼ全線が併用軌道で単線運行ですが、末端の提灯通~舟守神社間は森島に昔から伝わる洞窟式住居『縣権兵衛(かたこんぺ)』の中を走ります。沿線には水産試験場や漁港などがあり、ビジネスラインとしても機能しています。 併用軌道を敷設している県道は道幅が狭く、建築限界もほかの路線に比べ小さいため、オーバーハングや車幅の関係で370形・500形・550形の入線はできません。 併用軌道が中心の東線。最高速度は40㎞/h。道路が狭隘なのでオーバーハングの大きな370形・娑婆の広い500形・550形は入線できない。 西線はもともと鉄道線であり、起点の市役所電停から2駅先の見晴台までが併用軌道で、そこから終点の美浜シーパラダイスまでは新設軌道となっています。新設軌道区間の最高速度は55㎞/hで、軽便鉄道としてはなかなかの俊足を誇ります。 東線と異なり車種の制限はないものの、単線区間の交換所が少ないため15分間隔までしか運転間隔を詰めることができないため、ラッシュ時・シーズンの混雑時は増結で対応するしかないという悩みを抱えています。 新設軌道とはいっても大部分は道路のわきに線路が敷かれている西線。それでも最高速度は55㎞/hが認可されている。西線はすべての車両が運用可能。 空港線は2016年に開業したばかりの路線です。山岳地帯を長大トンネルで一直線に進む線形となっており、途中駅は花菱・空港通りの2駅のみ。花菱~空港通り間は駅間距離12㎞という、路面電車とは思えないほどの長さになっています。 最高速度もトンネル内は70㎞/hと、762㎜ゲージの中ではかなりの高速運転を行うほか、空港通り~森島空港間も最高速度55㎞/hとして、空港と桟橋を17分で結びます。 トンネル内の保安や車輌性能の関係で、空港線は500形・550形の限定運用がかけられています。 延長11㎞の空港連絡トンネルを抜けてきた空港線の500形。トンネル内での脱出経路確保の観点から、非常扉が前面についた500形・550形のみが使用される。 |