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550形電車
製造期間:2017年製造 
活躍期間:2017年~2018年
製造両数:2両 廃車:なし
車両寸法:23,500×2,216×3,650mm 空車質量:41.7t
モータ:MB-7050BN(45kW/440V/167A/1,400kg)×6
ギアリング:16:97=6.06 駆動方式:直角カルダン 制御方式:フルSiC-VVVF
最高速度:75㎞/h

500形は連結すると非常扉が干渉して通路を構成できず、A-A基準相当の防災基準を満たせないため、連結運転で空港線の運用はできない。

 2016年に開業した空港線は、自動車に比べて圧倒的に短い所要時間で空港と桟橋を結ぶため、当初30分ヘッドで運行していたところを15分ヘッドにするほどの盛況となった。
 しかしそれでもピーク時は定員60名の500形では積み残しが出るほどの混雑となり、さりとて単線ゆえに15分ヘッド以下の増発は不可能。しかも長大トンネルを通過するため非常扉を設置した500形は、構造上連結するとお互いの扉が干渉し、通路を構成できない。もともと増結するほどの利用客を想定していなかったとはいえ、これは大きな誤算だった。
 そこで、今後も利用が期待できる高需要路線ということもあり、ピーク時に大輸送力を発揮できる新型車両の投入に踏み切った。それが550形である。
 550形は、森島軌道の有効長26mを有効につかうため、動力ユニットであるA号車、客室ユニットであるB号車を1組とし、これを背中合わせにつないがA+B=B+Aという構成になっている。

550形は500形から中間の機器室を外した構成となっている。台車の数は500形×2の4台から1台減った3台、モータも8基から6基となるため、性能面でチューニングが行われている。

 A号車は500形と共通のコンポーネントで構成されている。異なるのはVVVFの制御ソフトウェアとモータで、モータはMB-7050BN(45kw・6極・440V・167A・5.800rpm・1,400㎏)、コントローラはMAV-456-6RH。基本は500形のMB-7050ANと同じだが、550形は520形との連結運転を考慮しないこと、モータの数が編成内6モータとなることから出力や電流値の変更を行っている。
 500形との大きな変更点はB号車間の中間台車で、この部分は階段として段差を許容している。楽園軌道では2両つなぎは必ずツーメンで運行されるため、移動制約者の段差対応は乗務員が行えること、非常口は前後にあるため段差部をあえて通過しなくてはならないシチュエーションは多くないこと、スロープでは 定員が減少してしまうことなど総合的な判断により決定した。
 連接部は乗り心地に配慮するため、まくらばねを窓の高さに合わせて回転中心を窓の上辺に合わせている。これによってトップヘビーにならず乗り心地の向上が期待できるとしている。もっとも、エアレス化を目指してコンプレッサを搭載していないためばねはエリゴばねで、減衰はゴムブッシュとオイルダンパに担わせている。積空比の大きな一般形電車ゆえにばね定数を小さくできずエアサスほどの乗り心地は期待できないのが残念なところだ。

B号車同士の連結部。台車の側梁からピンを立ち上げ、窓の上辺を回転中心として支持している。積空比が大きいためばねはピンと取り付け支持具の間にギュッと押し込まれている。

 このほか車体は、ドアの位置を内側に寄せて乗降時間の短縮をはかっている点が500形と異なる点といえる。
 550形はとりあえず2017年に1編成、2018年に1編成の計2編成が造られ、ほぼ空港線専属で使用されている。現時点ではこれ以上の製造は計画されていない。
 楽園軌道の連結車両といえば550形のほか200形が運用されているが、550形は車両限界の関係で東線に入線できず、200形の置き換え足りえない。
 200形の置き換えには別形式の新造車(570形?)が登場するのか、それとも単車2両の運行になるのか。
 その結論はまだ出ていない。

dan564@gmail.com /サマンサのTumblr
サマンサ 2018

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