30000系 全13編成
 もともとは地下鉄半蔵門線直通用に作られた車両ですが、諸般の事情から15編成中13編成が東上線に転属し、東上線最大勢力の一角に君臨するまでとなりました。
 東上線では地下直運用には入らず地上線用で活躍していますが、まあなんというかいまひとつ性能が活かしきれていないかなという気がしないでもありません。
 もちろん東武スカイツリーラインや東急田園都市線での高速運転を想定しているため性能自体は悪くありませんが、地下鉄線内での高加速性能と地上線での高速性能を両立させるため、少々ワイルドなセッティングになってるのが玉に瑕といいましょうか、若干がさつなところを感じます。
 重量は10030型に比べM車が2tほど軽くなっています。ほんらいなら10030型もそのくらい軽くなければおかしいのですがそれはさておいて、6M4Tで高加速性能を出すために、ギアリングを7.07ときわめて低速側に振っているのが30000系の何よりの特徴でしょう。一方で高速性能は190kwのインダクションモータと、脈流成分が出にくい3レベルVVVFインバータ採用して高速性能を確保しています。
 モータ出力190kwというと、なーんだいわゆる標準車両の規格品モータか、と早合点してしまいそうですが、30000系のモータは定格2,293rpm、マックス6,640rpmという化け物じみた高回転モータなんです。定格を高くとって高速運転に余裕を持たせるのは100系〈スペーシア〉で取った方法ですが、30000系ではギアリングを目いっぱい高くし、ひたすらぶん回してピーク電流の減少と低速時のトルクを両立、東武線内の高速運転はそれ以上にピークの回転数を高くして確保しています。均衡速度が145km/hですから、その気になれば130km/hを出せるわけです。ギアリング7.07で!
 もちろん高速域ではトルクがスッカスカになりますから、車体が重たいと高速域でモータの回転数よりも早く速度が頭打ちになるわけですが、そこで10000型よりも3t軽くなった車体がきいてくるわけです。さすが東武。こういうメカニズムに関しては本当にクールです。
 しかしこれは、モータが高回転で回ることによって高速性能を確保しているわけで、実際100km/hにおいてφ820条件だと4,576rpmまで回ります。9000型が同条件で3,521rpmですから、実に1,000rpm近い差があるわけです。当然その分騒音も大きくなってしまうのが30000系のウィークポイントでしょうか。正直30000系の加速力は東上線では「無用の長物」ですし、むしろ100km/hのクルージング性能のほうが必要でしょう。ゆえに後継の50000型ではギアリングを6.53に落としましたがこれは見識です。
 まだVVVFインバータの評価がいまひとつ定まってなかった時期の車両で、それゆえに高額な3レベルIGBT-VVVFなんてのをチョイスするあたり(ギアリングを低速側に振る関係で、せめて磁歪音を下げたかったのかな)は実に東武らしいっちゃ東武らしいんですけどね。
 でも、あの空調のやかましさはなんとかならんのかと思うのですが。あと、LED表示機が1/125秒以下でないとまともに写らない(1/125でも微妙)ため、撮り鉄方面には嫌われている模様。

31601=31401編成

2011年9月16日 新河岸~川越

31602=31402編成

2015年9月14日 鶴ヶ島~若葉 

31603=31403編成

2015年6月14日 みずほ台~鶴瀬

31604=31404編成

2015年11月6日 新河岸~川越

31605=31405編成

2015年12月30日 新河岸~川越

31607=31407編成

2016年6月10日 川越~川越市

31608=31408編成

2016年6月1日 新河岸~川越

31610=31410編成

2015年7月10日 鶴瀬~ふじみ野

31611=31411編成

2012年5月24日 新河岸~川越

31612=31412編成

2015年12月30日 新河岸~川越

31613=31413編成

2015年8月8日 新河岸~川越

31614=31414編成

2015年6月11日 新河岸~川越

31615=31415編成

2015年8月18日 和光市~朝霞

31601=31401編成乗務員訓練中

2011年5月17日 川越市

31601=31401編成搬入

2011年1月26日 桜沢~寄居

31601=31401編成搬入

2011年1月26日 寄居
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