8000系 全11編成
 車両の軽量化こそ鉄道の技術革新の中枢であって,これが使用電力量・変電所容量・電車線容量・軌道に及ぼす影響は測り知れないものがあるという観点から,軽量堅牢なるものとすべく努力して,1編成80mに対し120tに収めた.
 上記は鉄道趣味しに掲載された東武8000系の解説に登場する言葉ですが、これだけでも8000系がどれだけ高い見識の元に造られたかがわかるというものです。
 1963年に登場した汎用型で、MT比1:1を基本にデザインされた高級車両。HS-836-Krb、TDK-8010Aなどメーカーによって呼び名がありますが、とりあえずTM-63と称された130kwモータの性能を最大限に引き出すべく車体は極限まで軽量化されているのが特徴です。
 電車は軽ければ軽いほど、そのほかの設計に余裕が出てきますのでこのデザインコンセプトは実に基本に忠実なんですが、8000系は特にその理想主義が突出している感があります。
 たとえば電気ブレーキの廃止にしても、東武鉄道の運転特性においてさほど功をなさないとあっさり見切っていますが、これのおかげで後に作った2両固定の設計がスマートなものになったのも見逃せません。発電ブレーキを搭載した場合、モハ8500は750Vモータの直並列制御を選べたでしょうか。個人的には375Vの永久直列にせざるを得なかったと思っています。その是非はさておいて、8000系のデザインコンセプトがいかにインテリジェンスにあふれているか、という証左のひとつではないかと思っています。
 乗り心地ももともと保線に優れた東武の線路なのでミンデン台車の特性とは合致しますし、バーニアによる超多段制御は直並列の渡りこそ衝動がきますが(そらしょうがない。渡りにまで中間段階を加えたら機器が複雑になる)、それ以外の走りは実に滑らか。乗り心地の向上というよりも、ノッチの刻みを細かくすることで大馬力モータのトルクを少しでも活かそうというデザインです。定格電流390Aという民鉄の標準的な電流値でMT比1:1となれば、こういったセッティングは必然だったのでしょう。実に設計者の見識に惚れ惚れする部分です。こういうしっかりしたデザインの電車はやはり、旧くならないものです。
 8156編成から冷房が搭載されましたが、風洞を設けず直接冷機を振り掛ける方式(軽量化の一環でしょう)なので、パンタ2基装備車はパンタグラフが台車のセンターと合っていません。こんなところにも東武の理想主義が表れているのがユニークです。
 8000系はとにかく価格もこなれて扱いやすい電車ですので712両もの数が作られ、現在でも250両前後がローカル区間を中心に活躍しています。  東上線にはそのうち4両編成12本が在籍し、坂戸~越生や森林公園・小川町~寄居間で使われていますが、2016年3月のダイヤ改正で小川町~寄居間の運用本数が1本減った関係からか、調子が悪くたびたび故障を起こしていた81112編成が廃車となり、現在は11編成で回しています。

現役時代の81112編成 2016年3月22日 武州唐沢~越生


8183編成

2015年9月14日 坂戸~一本松

8184編成

2016年1月28日 坂戸~北坂戸 

8197編成

2015年9月14日 坂戸~一本松

8198編成

2011年12月4日 南栗橋車両管理区

8199編成

2016年3月22日 武州唐沢~越生

81100編成

2014年9月23日 小川町

81107編成

2009年2月19日 寄居

81109編成

2015年10月23日 西大家~川角

81111編成

2011年5月14日 寄居


81119編成

2016年3月22日 武州唐沢~越生
 
81120編成

2016年1月28日 坂戸

セイジクリーム塗装

2015年10月23日 西大家~川角

インターナショナルオレンジ+ベージュ

2014年9月23日 小川町

フライング東上カラー

2016年3月22日 武州唐沢~越生

鉢形駅リニューアルオープン

2015年3月28日 小川町

ありがとう8175編成

2015年1月17日 池袋

ありがとう8111編成

2011年6月28日 志木

ありがとう8111編成

2011年6月29日 上福岡~新河岸

臨時むさしの

2010年3月28日 東松山~森林公園

秋の全国交通安全運動

2008年9月25日 みずほ台~鶴瀬

東上線100周年

2014年11月16日 森林公園検修区

8108編成リバイバルカラー

2004年12月24日 森林公園検修区
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