▲:池袋行きTJライナーは川越市駅を通過
TJライナー

 東上線の通勤ライナーとして2008年に登場。当初は平日基準で18:00から60分間隔の運転(最終は除く)だったのが、310円を支払うことで池袋駅での急行電車席取り合戦、通称「フルーツバスケット」が免除されるとあって遠距離通勤客に大好評となり、ダイヤ改正ごとに本数が増えた結果、2016年3月の改正では平日基準で18:00~0:00まで30分ヘッドで13本、さらに朝のラッシュ前とラッシュ後に1本ずつの計15本が運行されています。
 30分ヘッドとなったことで遠距離客はライナー券を奪い合うこともなくなり、実に平和に帰宅できることになりましたが、一方でふじみ野までの近距離客はTJライナーが増えた分一般列車、特に準急が割を食うこととなり(東上線で割を食うのはいつだって準急です……)、特に朝霞あたりの利用客からは恨み節のひとつも聞こえてきそうです。
 車両はマルチシートの50090型が専属で使われており、クロスシート状態で使われます。一見回転シートで快適そうに見えますが、座席の幅がロングシートの50070型よりも5mmほど狭いのは内緒です。シートピッチは1,000mmとゆったりしていますが、窓割と座席配置が絶望的に合っていません。まあ、下りTJライナーの走る時間帯はほとんど真っ暗ですし、上りは寝てればいいのです。
 標準的な所要時間は小川町まで60分。表定速度64.1km/hはなかなか立派ですが、池袋~川越だと所要時間25分で表定速度73.2km/hになります。例によって例の如く川越から先がえらい鈍足になるのはなぜなんでしょう。とはいえ、川越~森林公園間にしたって各駅に止まる列車に比べ5駅よけいに通過して6分速い表定速度63.1km/hなので、快速ほど鈍足というわけではない、というより結構速いのです。
 コレだけの速度をそこそこ列車密度の高い夕方ラッシュ時に出すわけですから、他の列車は当然割を食います。TJに先行する普通は中板橋でTJと急行の2本待ちで所要時間が延び、さらにそのあおりを食って次の準急が成増手前でこの普通に追いつくため準急はこの時間、成増までの所要時間が1分延びます。
 ふじみ野では準急が急行とTJの2本抜きで6分も止まるし、その準急を追い抜いた急行にしたって、川越市でTJの追い抜きで4分止まります。さらに有楽町線から来た川越市ゆきの普通は、複々線区間を快調に走ってきたにもかかわらず、志木でTJライナーに進路を譲るため3分止まります。
 これだけの犠牲を強いて、400人ちょっとの旅客を運ぶTJライナーですので、通過駅からは不平が出るのは至極当然といえましょう。なお、俺は川越が最寄り駅なのでTJライナーがむしろもっと増えてくれないかとすら思っていますよ?


下りTJライナーは休日池袋発でも17:00が一番手。撮影するにはできるだけ池袋駅に近いところで休日の1号を狙うしかありませんでした。冬になると1号でもほとんどアウトです。(2010年6月5日 成増~和光市


池袋19:00発のTJライナーを川越駅で撮影。F1.4の明るいレンズでがんばって撮影しましたが、ノイズ乗りまくりでどうにもなりませんでした。(2010年6月4日 新河岸~川越


そんなわけでTJライナーの写真は、走行写真を諦め駅で撮るのが無難でした。2016年のダイヤ改正までは。(2008年11月11日 川越


2016年3月のダイヤで上りTJライナーが新設された結果、今までの苦労がなんだったのというくらい良好な光線下でTJライナーが撮影できるようになりました。(2010年4月1日 新河岸~川越


いつかフライング東上カラーのTJライナーの走行写真を撮りたいものですが……運航開始初日の上りTJがそうだったんですよね……病院さえなければ撮りに行ったのに。(2016年3月30日 川越
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