急行・Fライナー

 少なくとも40年以上にわたり東上線の基幹種別として君臨するのが急行。いつの時代も上位種別の列車は存在しているものの、終日運行する種別としては実質最優等列車とよんで差し支えありません。
 かつては朝のラッシュ時には運転されず、ラッシュが終わると8両編成で雁行していたのですが、ラッシュが落ち着いた現在は、ラッシュのどまんなかにもがんがん急行が設定されています。おかげで通勤急行の存在意義はなくなり、2016年3月のダイヤ改正でついに消滅しました。ラッシュ時の優等種別が準急しかなく、しかも追い抜きなしという暗黒時代を知る立場からすれば感無量です。1988年に倒産した磯村建設も草葉の影で喜んでいることでしょう。なんせあの時代からラッシュ時の所要時間が10分近く短縮しているのですから!
 さて、急行の停車駅は1987年に地下鉄直通運転を始める前は池袋・成増・志木・川越と川越からの各駅でしたが、その後1987年に和光市、1993年にふじみ野、1998年に朝霞台に追加停車するようになりました。しかし所要時間は1987年以前からの所要時間である池袋~川越間で30分を維持しており、かなりがんばっているといえます。池袋~小川町間の所要時間にしても日中は69分。表定速度は55.7km/h。運転区間の半分が各駅停車ということを考えれば大善戦です。
 現在の運転系統は池袋発が森林公園ゆきと小川町ゆき、地下鉄副都心線発が森林公園ゆきで、日中は1時間当たり森林公園ゆき3本と小川町ゆき1本の運転となっています。快速が設定されてからは日中の小川町行きは快速が主力となっており、急行小川町行きの存在感が揺らいでおります。
 副都心線直通急行の中でも、副都心線内急行、東横・みなとみらい線内特急で運転する列車には〈Fライナー〉の愛称が付いています。なお、副都心線直通急行で〈Fライナー〉を名乗らない急行も平日に上り4本、下り2本ありますが、それについては『〈Fライナー〉を名乗らない直通急行』をご覧ください。
 川越に住んでいるといちばん利用する機会の多い急行。上位種別の快速が登場しても、その重要性は変わりません。ていうか快速がいまいち使えない、というのはナイショ。 


3色LEDの表示は黒地に赤文字。停車駅案内も種別表記も40年以上まったく揺らがず、東上線の急行は「赤」なのです。(2016年4月10日 ふじみ野~上福岡


フルカラーLEDの場合は方向幕に倣って赤地に白文字。(2016年4月11日 上福岡~新河岸


方向幕は赤地に白文字。日中の急行は4本中3本が森林公園行きなので、小川町行きを見るチャンスは1時間に1回しかありません。(2011年12月9日 和光市~朝霞


その昔の、東上線の優等列車はこのように貫通扉に種別板を入れていました。もちろん急行は赤文字でした。(2011年11月23日 森林公園検修区


東上線急行のロングランは平日の森林公園発元町・中華街行き1213T。森林公園~元町・中華街間89.8kmを急行のまま走り抜ける唯一の列車です。(2016年6月28日 若葉~坂戸



その1213T、東急線内でも急行表示は赤地に白。一貫してます。(2016年4月20日 田園調布~多摩川


2016年3月のダイヤ改正から、東急車・メトロ車も優等種別として走るようになりました。日中の多くの列車は〈Fライナー〉として、和光市~川越間を急行運転します。
2016年4月14日 新河岸~川越
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