Nゲージ新幹線
  ■503 パワーパックは新しいものを
 鉄道模型はお金がかかります。そんなときたとえば知り合いやおじいちゃんなどから『むかし使っていた鉄道模型のセットがあるからあげよう』と言われて譲られるケースがあると思います。
 このとき注意してほしいのはパワーパックです。昔のパワーパックは当時のモータの性能に合わせて、比較的高い電圧がいきなりかかる方式になっています。これは当時のNゲージ鉄道模型のモータが低電圧ではトルクが出ない上に、パワーパックの電流も価格の面から0.3〜0.5A程度だったので、トルクを確保するためいきなり高い電圧をかける必要があったのです(このあたりの話はわからなくてもかまいません)。
 その後、技術の進歩で小型でもトルクのあるモータが出現し、現在の鉄道模型は非常に小さな電力で高性能を出せるようになりました。そのためパワーパックも出だしは微小な電力を供給し、超スロー走行ができるようになりました。また、パワーパックの供給電流も1〜1.7Aと倍増し、室内灯を取り付けても新幹線の16両つなぎくらいなら問題なく動かせるようになりました。
 さて、そんな最新の新幹線を昔のパワーパックで動かすとどうなるでしょう。

トミックスが1978年に作ったパワーパックで、カトーが1982年に作った200系新幹線を走らせた例。つまみがほんのわずか左に傾いていますが、200系の起動電圧に達してないので動きません。

▲同じ条件で2006年製造(それでも10年前か…)のE2系1000番台を走らせると、同じつまみでもけっこうな速度で走ってしまいます。

 省電力で動いてしまう現代の車両は、昔のパワーパックで走らせるとほんの少しつまみを動かしただけでけっこうな速度で走ってしまいます。ゆっくり走らせる運転は無理と考えてください。
 新幹線なんだからゆっくり走らなくていいんじゃないの? という見かたもあるかもしれませんが、新幹線だって駅につけば静々走るもんです。東京駅に時速120km/hで突っ込んで、そこからぴたっと止まるなんて走り、リアルじゃないですよ。
 ですからおじいちゃんから昔の鉄道模型を譲ってもらっても、パワーパックだけは最新の製品を購入してください。
 なお、新しいパワーパックで古い車両を動かす分には何の問題もありません。現代のパワーパックは電気を送る方式が変わり、高い電圧を断続的にかけつつ電流を流す方式になっており(ここもわからなくていいです)、低速で「ジジジ……」と唸りますがコンディションさえ良好ならば問題なく動いてくれます。

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